ESGとSDGsとは|それぞれの違いと具体的な取り組み内容について
ESGとSDGsとは|それぞれの違いと具体的な取り組み内容について

ESGとSDGsとは|それぞれの違いと具体的な取り組み内容について

ESGとSDGsの違い|「ESG=プロセス、SDGs=ゴール」

ESGとSDGsは、世界の諸問題の改善・解決のために国連から生まれた言葉です。
どちらも環境や社会などへの配慮が関係しているため、同じような意味合いとして捉えている人も多いと思いますが、根本的な目的に大きな違いがあります。

SDGsは国連や各国政府が主体となっており、世界が共通して取り組むべき目標を指しています。
対して、ESGは民間の企業や投資家が中心であり、企業経営において取り組む課題を意味します。

名称意味対象
SDGs国連の持続的な開発目標各国政府、企業、個人
ESG企業が取り組むべき課題企業、投資家

企業がESG(=プロセス)に取り組むことにより、結果的にSDGs(=ゴール)の実現につながっていくといえるでしょう。

SDGsとは

SDGs

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、2015年9月の国連サミットにおいて採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
環境・社会・経済の3方面から17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。

<17の国際目標>

1. [貧困]貧困をなくそう
あらゆる場所あらゆる形態の貧困を終わらせる

2. [飢餓]飢餓をゼロに
飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養の改善を実現し、持続可能な農業を促進する

3. [保険]すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

4. [教育]質の高い教育をみんなに
すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する

5. [ジェンダー]ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを行う

6. [水・衛生]安全な水とトイレを世界中に
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

7. [エネルギー]エネルギーをみんなに そしてクリーンに
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する

8. [経済成長と雇用]働きがいも経済成長も
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

9. [インフラ・産業化・イノベーション]産業と技術革新の基盤をつくろう
強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

10.[不平等]人や国の不平等をなくそう
国内及び各国家間の不平等を是正する

11.[持続可能な都市]住み続けられるまちづくりを
包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で 持続可能な都市及び人間居住を実現する

12.[持続可能な消費と生産]つくる責任 つかう責任
持続可能な消費生産形態を確保する

13.[気候変動]気候変動に具体的な対策を
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

14.[海洋資源]海の豊かさを守ろう
持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

15.[陸上資源]陸の豊かさも守ろう
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

16.[平和]平和と公正をすべての人に
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

17.[実施手段]パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

引用:外務省:持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/sdgs_gaiyou_202108.pdf

<SDGs 国別の達成状況>

『持続可能な開発目標(SDGs)報告2021』(Sustainable Development Report 2021)による2021年6月のレポートでは、SDGsに対しての達成率をスコア化し、193の国連加盟国中165国をランキングにしています。
日本は165国中18位、1位はフィンランドとなっております。

・日本  Score : 79.85 / 100 / Rank : 18 / 165

ランキングTOP3
・フィンランド Score : 85.90 / 100 / Rank : 1 / 165
・スウェーデン Score : 85.61 / 100 / Rank : 2 / 165
・デンマーク  Score : 84.86 / 100 / Rank : 3 / 165

※Sustainable Development Report 2021は、持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN:Sustainable Development Solutions Network)とベルステルマン財団(Bertelsmann Stiftung)によって作成されたレポートで、SDGsに対しての達成率(全て達成100%とし)をスコア化し、193の国連加盟国中165国をランキングにしています。Sustainable Development Report 2021 https://dashboards.sdgindex.org/rankings

1位のフィンランドは、公的福祉制度が充実しており、国民が暮らしやすい環境が整っています。また、教育現場でLGBTについて学ぶ機会を作ったり、女性を積極的に管理職へ雇用したりと、ジェンダー平等への取り組みも進んでいます。
2位のスウェーデンでは、政府が国民とともに積極的にSDGsに取り組んでおり、例えばゴミの分別は100種類に分け、家庭ごみの99%をリサイクルや電力エネルギー源としています。また、大臣の半数が女性で男性の育児休暇取得も当たり前になっています。
3位のデンマークでは、食品ロスへの取り組みや、オーガニック食材の利用率が高いことがSDGsへつながっています。

ESGとは

ESG

ESG(イーエスジー)とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取って作られた言葉で、企業経営において取り組む課題を意味します。
この3つを企業が積極的に取り組むことにより、企業を中長期的に成長させていくことを目的としています。
企業の財務状況だけではなく、株主や投資家の立場からもESGの観点を重視する傾向が広まっています。

ESGの具体的な取り組み内容

● 環境(Environment)

・再生可能なエネルギーの使用
・CO2や温室効果ガスの排出量削減
・製造工程での廃棄物低減
・分別やリサイクルによる廃棄物の削減

● 社会(Social)

・地域社会への貢献
・ダイバーシティ(人材の多様化・女性活躍)
・ワーク・ライフ・バランス
・男女平等な採用形態・待遇

● ガバナンス(Governance)

・企業情報の開示
・取締役会の多様性
・リスク管理体制の構築
・資本効率への高い意識

世界で増加しているESG投資

ESG投資とは、ESGの環境・社会・ガバナンスという3つの観点に配慮した企業に対して投資を行うことをいいます。
従来の投資は、売上高や利益といった過去の実績を重視しますが、ESG投資では非財務情報の観点を重視します。

<ESG投資の種類>

ESG投資は、以下の7種類に分けられます。

ESG投資の種類
  1. ネガティブ・スクリーニング(Negative/exclusionary screening)
  2. ポジティブ・スクリーニング(Positive/best screening)
  3. 規範に基づくスクリーニング(Norms-based screening)
  4. ESGインテグレーション型(ESG integration)
  5. サステナビリティ・テーマ投資型(Sustainability-themed investing)
  6. インパクト投資型(Impact/community investing)
  7. エンゲージメント・議決権行使型(Corporate engagement and shareholder action)

① ネガティブ・スクリーニング(Negative/exclusionary screening)
ネガティブ・スクリーニングとは、ESGの観点で問題がある業種や企業を投資対象から外す方法です。
武器・たばこ・ポルノ・ギャンブル・アルコール・原子力発電・動物実験・化石燃料・温室効果ガス排出などが該当します。

② ポジティブ・スクリーニング(Positive/best screening)
ポジティブ・スクリーニングとは、ネガティブ・スクリーニングと対照的に、ESGの観点から評価の高い業種や企業に投資する方法です。
環境問題・人権問題・従業員対応・ダイバーシティなどに積極的に取り組んでいるかが判断材料となります。

③ 規範に基づくスクリーニング(Norms-based screening)
規範に基づくスクリーニングとは、ESG分野での国際規範を基に、その基準をクリアしていない企業を投資先から除外する方法です。国際規範に満たないものを除外することで、ESGへの貢献度が高い投資先を選べるようになります。
国際規範には、国際労働機関(ILO)などの国際機関が定めるものが参照されます。

④ ESGインテグレーション型(ESG integration)
ESGインテグレーション型とは、投資先を選定する際に、財務情報だけでなく、ESGに関連する非財務情報も組み合わせて総合的に投資対象を判断する方法です。
ESGの観点だけではなく、しっかりと収益を上げているかという財務面も考慮します。

⑤ サステナビリティ・テーマ投資型(Sustainability-themed investing)
サステナビリティ・テーマ投資型とは、サステナビリティ(持続可能性)をテーマにした企業へ投資する方法です。
特に再生可能エネルギーや持続可能な農業等に関する投資が挙げられます。

⑥ インパクト投資型(Impact/community investing)
インパクト投資型とは、社会や環境に対する技術やサービスなどを提供する企業に対して行う投資方法です。
大きく分けて、財務状況よりも環境や社会へのインパクトを重視するタイプ、双方ともに追求するタイプの2つがあります。

⑦ エンゲージメント・議決権行使型(Corporate engagement and shareholder action)
エンゲージメント・議決権行使型とは、投資先との関わり方に関連した方法のことです。
エンゲージメントとは、株主の立場から企業に対してESGに関する案件に積極的に働きかける投資方法です。
議決権行使はエンゲージメントよりも強力な方法で、株主総会で議決権を行使し、株主が企業の意思決定に対して力を行使するものです。

企業の取り組み事例

SOMPOホールディングス株式会社

保険会社のSOMPOホールディングスは、グループのESG課題を把握した上で、2011年度から主要な国内外連結会社も含んだアンケートを実施し、主要ESGデータとして公開しています。
環境分野では、「CO2排出量」や「廃棄物のリサイクル量」、社会分野では「女性管理職比率」や「社会貢献活動への参加人数」などの情報を開示し、取り組み内容を公開しています。
また、東洋経済新報社が2021年に発表した「CSR企業白書2021年版」ESGランキングでは昨年に続き1位になっています。

参考:https://www.sompo-hd.com/csr/esg/data/

KDDI株式会社

電気通信事業のKDDIは、「ステークホルダーの評価や意思決定への影響」と「自社が社会・環境・経済に与えるインパクト」の2つの視点のもと取り組みの検証を行い、6つのマテリアリティを定めそれぞれ詳細な数値目標を設けています。

6つのマテリアリティ(重要課題)
・人権尊重と公正な事業活動の推進
・安全で強靭な情報通信社会の構築
・ICTを通じた心豊かな暮らしの実現
・情報セキュリティの確保とプライバシーの保護
・エネルギー効率の向上と資源循環の達成
・多様な人財の育成と働きがいのある労働環境の実現

参考:https://www.kddi.com/corporate/ir/ir-library/annual-report/2018-selected/esg/

花王株式会社

石鹸や洗剤などで有名な消費財メーカーの花王は、ESG戦略に「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を掲げ、「快適な暮らしを自分らしく送るために」「思いやりのある選択を社会のために」「よりすこやかな地球のために」という3つの柱で取り組みを推進。
生活者の目線に立ったESG視点の「よきモノづくり」を通して社会のサステナビリティ実現と企業価値の向上につなげる活動をしています。
また、ESG推進体制を構築し、ESGの推進における組織や役割、開催頻度なども明確に提示され、社外の視点を反映させるため社外有識者で構成されるESG外部アドバイザリーボードなどの組織体制が築かれています。

参考:https://www.kao.com/content/dam/sites/kao/www-kao-com/jp/ja/corporate/sustainability/pdf/klp-pr-2021-07.pdf

オムロン株式会社

大手電機機器メーカーのオムロンは、気候変動への取り組みとして、2018年7月に「オムロン カーボンゼロ」を設定し、2050年に温室効果ガス排出量ゼロを目指しています。
また、主要ESGデータとして、環境分野では「温室効果ガスの排出削減」「エネルギー使用量の削減」「使用化学物質の管理」「廃棄物削減」「商品リサイクル・リユース」などに取り組み、その実績を年度ごとに公開しています。
他、社会分野では「海外重要ポジションに占める現地化比率」や「管理職に占める女性比率」、ガバナンス分野では「内部通報・相談件数」などの件数も公開しています。

参考:https://www.omron.com/jp/ja/ir/irlib/pdfs/esg/20210301_esg_presentation_j.pdf

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