同一労働同一賃金とは
同一労働同一賃金とは

同一労働同一賃金とは

同一労働同一賃金とは

同一労働同一賃

同一労働同一賃金とは、正式な法律名を「パートタイム・有期雇用労働法(現在のパートタイム労働法)」といい、同じ職場で職務内容が同じ場合、雇用形態に関わらず賃金や福利厚生等の待遇に不合理な差をつけることを禁止するものです。

雇用形態に関わらずとは、非正規労働者(パートタイマー、アルバイト、契約社員、嘱託社員等)と通常の労働者(無期雇用・フルタイム社員)、全ての雇用形態を指します。
そして、この雇用形態の違いによって待遇差を設けるのではなく、職務内容や配置変更の違いによって、労働者を適正に処遇する制度です。

【待遇の差が禁止される項目】
基本給、賞与、手当(役職手当、業務手当、通勤手当、家族手当、住宅手当、食事手当など)、福利厚生・教育訓練(福利厚生施設、慶弔休暇、病気休職など)

概要・ポイント

厚生労働省の同一労働同一賃金特集ページでは、 同一労働同一賃金について下記のように説明しています。

同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。

引用:同一労働同一賃金特集ページ|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972.html

同一労働同一賃金(パートタイム・有期雇用労働法)の内容

非正規雇用労働者(パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者)について、以下の①~③を統一的に整備します。
施行:2020年4月から ※中小企業の適用は、2021年4月1日から

① 不合理な待遇差をなくすための規定の整備

同一企業内において、正社員と非正規雇用労働者との間で、基本給や賞与などのあらやる待遇について、不合理な待遇差を設けることが禁止されます。ガイドラインを策定し、どのような待遇差が不合理に当たるか否かを例示します。

均衡 待遇規定 不合理な待遇差の禁止

(1)職務内容
(2)職務内容・配置の変更の範囲
(3)その他の事情
の違いに応じた範囲内で、待遇を決定する必要があります。

均等 待遇規定 差別的取扱いの禁止

(1)職務内容
(2)職務内容・配置の変更の範囲
が同じ場合、待遇について同じ取扱いをする必要があります。

派遣労働者については、次のいずれかを確保することを義務化します。
(1)派遣先の労働者との均等・均衡待遇
(2)一定の要件※ を満たす労使協定による待遇
※同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金と比べ、派遣労働者の賃金が同等以上であることなど。

② 労働者に対する待遇に関する説明義務の強化

非正規雇用労働者は、「正社員との待遇差の内容や理由」など、自身の待遇について事業主に説明を求めることができるようになります。事業主は、非正規雇用労働者から求めがあった場合は、説明をしなければなりません。

③ 行政による事業主への助言・指導等や裁判外紛争解決手続(行政ADR※)の規定の整備

都道府県労働局において、無料・非公開の紛争解決手続きを行います。「均衡待遇」や「待遇差の内容・理由に関する説明」についても、行政ADRの対象となります。
※行政ADR:事業主と労働者との間の紛争を、裁判をせずに解決する手続きのことをいいます。

出典:厚生労働省 同一労働同一賃金 https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/same.html

同一労働同一賃金が求められる背景

日本の雇用の現状

現状の日本の雇用は、非正規雇用労働者に不利な労働条件です。
同じ仕事をしても非正規雇用労働者は正社員より低賃金で働いているというケースがあったり、給与格差が非常に大きなものとなっています。
国税庁「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」によると、平均給与は正社員504万円、非正規社員179万円と、正規と非正規の差は325万円、約2.8倍と大きな開きがあります。

また、非正規社員には、正規社員と比べ能力アップの機会が少なくキャリア形成が困難であるといわれています。
非正規雇用は同じ会社での長期的な就業が不透明であり、非正規に対する教育・育成制度が整備されていないことが多いため、次のステップに挑戦しにくい、企業からも期待されていない環境にあるといえます。

参考:国税庁平成30年分民間給与実態統計調査結果について https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2019/minkan/index.htm

海外との比較

・EU諸国
EU諸国では、「EU指令」によりフルタイム社員とパートタイム社員が同じ仕事をしている場合、同じ賃金を支払う「均等待遇」が義務付けられています。 また、産業別労使関係が基本となり、産業別労働協約で職種・技術グレードに応じた賃金率が決定され、正規労働者・非正規労働者を問わず適用されています。

・欧米
欧米では、主に職務ごとに賃金が定められた「職種別労働市場」であり、同一の職種に対する賃金相場が企業の枠は関係なく形成されています。 また、近年マサチューセッツ州で施行された『平等賃金制定法』では、マサチューセッツ州の雇用主に対して、性別に関係なく「同等の仕事」には同一賃金を支払う義務を課しています。さらに雇用主が採用候補者の賃金について質問することを禁じています。

日本の法制度の整備状況

日本の労働市場は、「企業別労働市場」です。
労働組合も企業ごとに存在する「企業別労働組合」のため、類似の職務であっても企業内部の正規労働者と外部の非正規労働者、あるいは大企業・中小企業の正規労働者間などで、賃金格差が生じやすいのが現状です。
欧州や欧米で主流となっている企業の垣根を超え、職種ごとに賃金が決定されている「職種別労働市場」と日本の「企業別労働市場」、この点が海外と日本の一番の違いといえるでしょう。
また、日本の正規労働者は、職務内容や責任の範囲が曖昧な場合が多く会社都合による異動も多いため、会社の都合により幅広い部署や仕事内容に対応できる働き方が求められます。
賃金も職務遂行能力や勤続年数を基準とした職能給が多く適用されています。

事業主に必要な対応

実際の対応事例

1) 労働者の雇用形態を確認
法の対象となる労働者がいるのかを確認する為に、全労働者の雇用形態を確認します。

2) 待遇状況を確認
対象となる労働者の賃金(賞与・手当を含む)や福利厚生などの待遇について、差が無いかを確認します。

3) 待遇差がある場合は理由の確認と説明
確認した結果、労働者の間に不合理な待遇差があった場合は、なぜ待遇に差が設けられているのか理由を確認し、対象者に説明をします。
事業主は、労働者の待遇の内容や待遇の決定に際して考慮した事項、正社員との待遇差の内容やその理由について、労働者から説明を求められた場合には労働者に説明をすることが義務付けられます。

4) 改善計画を立て、早期改善を目指して取り組む
労働者の間に不合理な待遇差があった場合、正規労働者と非正規労働者双方の意見も聞きながら、就業規則や賃金規定を見直し、早期改善を目指して取り組む必要があります。

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