ハラスメントとは?|職場におけるハラスメントの実態

ハラスメントと主な法律

ハラスメント

ハラスメント(Harassment)とは、「嫌がらせ」という意味で、相手の意に反する行為によって不快な感情を抱かせることを指します。

ハラスメントを定義するにあたり重要なのが、「行為者がどう思っているのかは関係なく、相手が不快な感情を抱けばハラスメントになる」ということです。

※一般的と認められる指導等、第三者から見ても客観的に正当性が認められる場合は、ハラスメントには該当しません。

日本では、上意下達やパワーマネジメントに偏ったマネジメントが主流だった背景や、ハラスメントに関する教育の不足から、パワハラ上司やセクハラ上司を生みやすく、問題となるケースが多発しています。

また、日本を代表する複数の大企業で、パワハラによる社員の自殺が労災認定されるケースが相次ぎ、メディアで大々的に報道される等、社会問題となっています。

そのような社会的な背景があり、近年日本でもハラスメントに対する法整備が進められています。


<ハラスメントに関する主な法律>

・「男女雇用機会均等法」:セクハラ禁止

・「育児・介護休業法」:マタニティハラスメント禁止

・「ハラスメント対策関連法」:パワハラ・セクハラ・マタハラ・ケアハラ禁止

※ハラスメント対策関連法については、中小事業主は2022年3月31日までは努力義務


また、パワハラは、下記3つの要素で定義されています。不法行為に当たらなくとも、下記3つを全て満たしていればパワハラと認定されます。

また、3つの要素のうちどれかが欠ける(かもしれない)けれども、就業環境が害される場合も、上記で上げた法律の防止措置義務の対象となります。

パワハラを定義する3要素
  1. 優越的な関係を背景とした
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えた
  3. 労働者の就業環境が害される

職場におけるハラスメントの実態

日本労働組合総連合会が2019年5月に公開した『仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019』によると、職場でハラスメントを受けたことがある人は全体の38%でした。

約4割もの人がハラスメントを受けたことがあるというのは驚きです。

日本企業の多くで、マネジメントに大きな問題があることが伺えます。


<主な内容>

・上司からのハラスメントで多いのは、脅迫、名誉棄損、侮辱、ひどい暴言などの精神的な攻撃

・ハラスメントを受けた20代の3割近くが離職を選択

・職場でハラスメントを受けた女性の38%がセクハラ被害者

・ハラスメントを受けた人の54%が「仕事のやる気喪失」、22%は「心身不調」、19%が「退職・転職」と回答

・ハラスメントを受けた人の44%が「誰にも相談しなかった」、その理由の多くは「相談しても無駄だと思ったから」

※社内のハラスメントの相談窓口から内容が上司に筒抜けだった、逆に相談者が非難された、上司ではなく相談者が意図しない異動で飛ばされた等の声も多く上がっています。


ハラスメント上司を放置することは、会社として大きなレピュテーションリスクとなるだけでなく、人材の流出、パフォーマンスの低下という具体的なデメリットを発生させます。放置しておいて良い問題ではありません。


参考:『仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019』 https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20190528.pdf?43

ハラスメントの種類

職場でおこる主なハラスメントをご説明します。

予防したり、社員より相談があった場合には、実際にハラスメントであるか否かにかかわらず、早期に対処することが事業主の義務とされています。

■ セクシャルハラスメント(セクハラ)

セクハラとは、性的嫌がらせのことです。

不必要に性別・年齢・プライベート・容姿に関する発言をしたり、身体に触れたりする行為を指します。一般的に男性から女性に対してのイメージが強いかもしれません。しかし女性から男性、同性同士でも行われる場合もあります。

セクハラには大きく分けて「対価型セクハラ」「環境型セクハラ」の2つに分けられます。

「対価型セクハラ」は、「俺と付き合えば/性的な要求を受け入れれば良い評価をする」などと性的な言動を強要するものです。

もう1つ「環境型セクハラ」は、ヌード写真をデスクトップに設定したり、お酌を女性に強要したり、明確な不利益を伴わなくても職場環境を悪化させるものを指します。

■ パワー・ハラスメント(パワハラ)

パワハラとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や役職などの優位性を背景に適正な業務の範囲を超えて精神的、身体的苦痛を与えることです。

上司から部下、先輩から後輩に対して行われることが多いですが、人間関係上優位性を持った部下から上司に行われるケースもあります。

また、パワハラは「心理的な攻撃」「身体的な攻撃」「人間関係からの切り離し」「過大な要求」「過小な要求」「個の侵害」の6つの種類に分けられています。

叩く、殴る、蹴るなどの身体的な攻撃から、一人だけ別室に席を移される、通常業務でない草むしりばかりやらされる、同僚の目の前で執拗に叱責されるなどの行為があります。

たった1度の行為でもパワハラになる可能性もありますが、1度では問題にならなくても継続的に攻撃を行った場合や長時間にわたって攻撃を行った場合でもパワハラになる可能性があります。

■ ケア・ハラスメント(ケアハラ)

ケアハラとは、職場における育児・介護休業等 の制度利用に関する言動により、精神的苦痛を与えることです。

働きながら家族の介護を行う労働者に対して制度利用を妨害したり嫌がらせをしたりするハラスメント行為を指します。

家族の介護が理由で残業ができなかったり、休まなければならなかったりする従業員に対して、人事評価を下げる、介護休暇の取得を妨害する、尊厳を傷つける等の行為がケアハラにあたります。

■ マタニティ・ハラスメント(マタハラ)

マタハラとは、職場における妊娠、出産等に関 する言動により、精神的・肉体的苦痛を与えることです。不妊治療に対する否定的な言動も含むとされます。

例えば、妊娠中や産休明けなどに心ない言葉を言われた。妊娠・出産がきっかけで解雇や契約打ち切りをされた。自主退職への誘導をされ。妊娠中や産休明けなどに嫌がらせをされた等が、マタハラにあたります。

■ モラル・ハラスメント(モラハラ)

モラハラとは、肉体的ではなく、人として守るべきモラル(道徳)に反した言葉や態度によって巧妙に人の心を傷つける精神的な暴力で、「大人のいじめ」とも言われています。

例えば、陰口を言われる、小さなミスにたいしても過剰に強い口調で叱責されるなどの場合はモラハラの可能性があります。モラハラは物的証拠が残りにくく、また加害者が正しいふるまいのように見せかけようとする傾向にあるため、周囲の人に気づかれにくい一面があります。

また、モラハラは部下・同僚・上司など立場を問わず行われることも特徴です。

権力の大きさは関係なく、女性から男性へ、同僚同士の間でモラハラが起きるなど、性別や立場を問わず発生する可能性もあります。

■ テレワーク・ハラスメント(テレハラ)、リモートワークハラスメント(リモハラ)

テレハラやリモハラとは、テレワークやリモートワークをしている従業員に対して、web会議などオンライン上でのやりとりで生じる嫌がらせのことです。

テキストコミュニケーションが増えたり、画面越しにプライベート空間が見えたりすることがきっかけで起こるハラスメントですが、オンライン上で起こるため、周囲が気付きにくい傾向があります。対面であれば圧迫感を感じることのない指示でも、テキストだと威圧的に感じることもあるため、指示をした本人がハラスメントを行っていることを自覚していないケースも少なくありません。

▶ マネトレは、リーダーやマネジャーのマネジメント活動をサポートし、成長を支援します。「コーチ」と「マネジメントナレッジ」を提供する新しいサービスです。

マネトレでは、マネジメントや人材育成、組織開発に役立つさまざまな資料を、無料で公開しています。ぜひお気軽にダウンロードください。