部下の希望が会社の利益にならない場合、マネジメントはどう対処するべきか?

部下の希望が会社の利益にならない場合、マネジメントはどう対処すべきか?

1on1などで部下と会話する中で、部下の希望が会社の利益にならないようなケースではどう対応したら良いのか。
1on1を取り入れていく中で、部下との対話が生まれたものの、意図しない内容で答えに窮してしまうこともあるようです。

今回は、部下からの要望を上申したものの、跳ねのけられてしまった管理職からの相談事例をご紹介します。

マネジャーAさんからのお悩み相談

先日部下のエンジニアとの1on1で、「もっとクリエイティブな業務を行いたい」という話がありました。
組織コンディションスコアでも、チーム全体としてやりがいが低い状況もあり、部下のモチベーションアップのために、外部にだせる仕事は外部へ依頼し、社員はよりクリエイテイブな仕事をさせたい、と会社の上層部へ提案しました。
すると、「そうすることで会社の利益にどのようにつながるのか?」と問われ、返すことができませんでした。
正直なところ、本件については会社の利益に繋がるようなものではなく、社員が喜んで会社はいくら儲かるのか?というストーリー、指標を作るのは難しいと思っています。
そのような中で、どのようなに提案のストーリーを考えれば良いか悩んでおります。どうすれば良いでしょうか?

コーチからの回答|マネジャーとして向くべき方向は正しいか?

ご相談ありがとうございます。
基本的に事業観点でGoサインが出せるのは、「売上を上げる」か「コストを下げる」のどちらかに直接的または間接的に繋がるロジックのある施策しかありません。
クリエイティブな仕事をアサインすることにより新製品開発に繋がり、外注費以上の新たな売上増加が見込める。もしくは、外注により残業代が減らせるので、外注費と比べてもコストダウンになる。
そういったビジネス的観点でのロジックが組めるのであれば、質の高い仕事をアサインしていくアプローチも有効と思います。上層部に提案していくべきでしょう。

一方で、ご相談とは若干ずれる回答となりますが、上層部からそのように問われ、Aさんも「会社の利益に繋げるのは難しい」とお考えならば、マネジメントとしては、向く方向が逆になると思います。

つまり、やるべきは上層部を説得することではなく、メンバーにできない理由をきちんと説明することです。
どうして開発的な業務ばかり増やせないのか、それ以外の業務も事業に貢献していて無くせない理由などをビジネス的な観点で整理し、メンバーに対し丁寧な説明をし、納得してもらうことになるかと思います。

お金をかけなくてもマネジャーができることはある

外注コストを上回る生産性向上や、新規ビジネスでの売上予測等のリターンを数字で示すことができるのであれば良いですが、単純なコストアップだけの施策であれば、会社の上層部の問題ではなく、どの会社であっても認めることは難しいと思います。
部下も会社としてできないことがあるのは理解していると思いますし、あくまでダメ元で希望として話しただけかもしれません。

メンバーのモチベーションアップのためにマネジメントができることは、コストアップにならない方法も沢山あります。
キャリア理解やメンバー理解、フィードバックの頻度、アサインメントの仕方(仕事の任せ方)などは、モチベーションに大きく影響を与える項目であり、マネジメントとメンバーのコミュニケーションで改善できる部分です。
特に、マネジメントする上で、本人の価値観やキャリアの理解は欠かせません。
相手を理解していないのに、相手を動機づけることはできないからです。

Aさんの場合、上記で挙げた項目は平均以下の状況であり、改善の余地があります。
まずはクリエイティブな業務への変更といった大掛かりなものではなく、こうしたことを平均レベル以上に引き上げることに取り組むのが良いかと思います。


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