従業員サーベイを利用してより良い組織を作るには?|サーベイの活用方法

従業員サーベイは結果を活用してこそ意味がある

従業員サーベイを実施している企業が増えてきています。

しかし、サーベイの結果を活かせていない、課題を放置してしまっているという声もよくお聞きします。

サーベイ実施のきっかけは、従業員アンケートとして毎年ではないけれどアンケートを取っていたり、昨今人事業界でHRTechが声高に叫ばれているので、エンゲージメントサーベイなるものを高価な費用を払って導入してみたりと、様々です。

今回は、サーベイはなぜ活かされないのか、サーベイを実施する上での注意点、サーベイ結果を放置することによる危険性について考えます。

組織や職場のコンディションを見える化するだけでは何も変わらない

まずは自分たちの組織の見える化をしてみよう、サーベイをすれば課題が分かるからそれを改善すればいい、と考えてサーベイを実施してみたものの、その後何らアクションできず時間だけが過ぎてしまう、こんな経験はないでしょうか?


サーベイ導入の当初の目的は忘れられ、人事や経営がただ結果をチェックしている。

生産性や社員エンゲージメント向上の目的が、いつの間にかスコアの上がった・下がったが最大の関心事になっている。

社員はアンケートに答えたけれど何に活かされているのか分からず、アンケートをただ面倒に思っている。


そんなサーベイが多いのが現実ではないでしょうか?

サーベイは組織を見える化し、そこにある課題らしきものを明らかにします。

しかし、サーベイの結果データ自体は、課題の原因や、何をすればいいか正解を教えてくれるわけではありませんし、実施しただけで組織が改善されるわけでもありません。

サーベイ後のデータをどう活かすかまで設計する必要がある

サーベイを通じて得られたデータをチームにフィードバックし、対話することで、次へのアクションを決める。

組織開発で「サーベイ・フィードバック」と呼ばれますが、まずこの流れを現場で行えるよう、マネジャーのサポート含めて設計をしておく必要があります。

組織を改善するのは現場のマネジャーです。 人事や経営だけではできません。

現場で自主的にサーベイ・フィードバックが行われ、組織がより良い方向に向かっていくということは、残念ながら起こりません。


サーベイ結果の解釈、それを改善するための方法、メンバーとの対話の方法等、マネジャーが経験値では解決できないことが多すぎます。

どう解決したらいいか分からず止まってしまうマネジャーが多いでしょう。

当社のコーチへの相談では、そもそも課題の原因が分からない、思い当たることはない、といったマネジャーも1,2割程発生しています。

また、経験値で無理やりなんとかしようとすると、逆に悪い方向に進んでしまう可能性もあります。

ですから、サーベイが現場で活かされる、フィードバックがきちんと行われるように、実施前から準備することが必要です。

スコアの落とし穴|スコアの高低は絶対の指標ではない

サーベイのスコアは、目安であって絶対の指標ではありません。スコアの高低だけを見て自社の組織比較をするのはナンセンスです。

特に、サーベイは行動データではなく、主観による回答のため、答える「人」の影響を大きく受けます。

組織ごとに構成員の年齢や性別、性格等が異なります。同一条件ではないので、他組織と厳密に比較ができないのは自明です。

前提条件が異なる会社、組織同士の比較にばかり目を向けてはいけません。

比較で何かを探すより、半年後、1年後に向けた行動に時間を使うべきです。


コーチへの相談でも、こんな事例がありました。

そのチームはサーベイのスコアは高く、会社で上位に位置していました。

一方で、マネジャーは「仲良しクラブでメンバーの達成へのコミットメントが足りない」と悩んでいました。

このチームでは何が起こっていたのでしょうか?

対話を進めてみると、マネジャーが求めている基準やありたい姿が認識されておらず、メンバーはより低い基準で仕事をしており、メンバーにとって居心地が良い(ぬるま湯)職場になっているということが分かりました。

人としての関係性はしっかりと出来ていたので、マネジャーは自身が求めるチームの姿や基準について対話を重ね、その齟齬を修正していきました。

スコアが絶対でないですし、メンバーの意見が必ず正しいわけではない典型的な事例でした。


また、失敗が許容され挑戦が称賛されるスタートアップ企業と、人々の命や生活を支える失敗が許されないインフラ企業では、求める組織や重視する指標は異なって当然です。

一般的な組織サーベイでは、明らかに後者の方が低くなるスコアがあるでしょうが、それがその企業のビジネスモデルからすると良い場合もあります。

スコアの高低だけをモノサシにしてしまう危険性は、感じていただけたでしょうか。

サーベイのやりっ放しは、逆に社員のエンゲージメントを低下させる

サーベイのやりっ放しは、メンバーだけでなく、マネジャーのエンゲージメントも低下させます。

サーベイ後をきちんと設計、実行できないのであれば、やらない方がよいくらいです。

それはこんな現場の不満を発生させます。


「毎月時間を取ってアンケートに回答しているけれど、いったい何になるのだろう」

「職場が良くなる気配はいっこうにない。結局何も変える気がないなら時間が無駄だからやめてほしい」

「残業禁止、生産性を上げろというのに、無駄なアンケートに答えさせられて本末転倒だ」

「毎回サーベイ結果を送られて改善しろと言われても、何をどのように改善したらいいか全く分からない。どうしたらいいんだ。」

「お金をかけてサーベイなんかやらなくても、現場では課題なんて前から分かってたよ。」


サーベイをやったけれど、当初目指していたその後のアクションには繋げられず、でも現状が分かっただけでも価値があったと納得し、また翌年のサーベイを迎える。

あなたの会社はそんな状態にはなっていないでしょうか?

サーベイ後の現場へのフィードバック、改善アクションの設定まで考えて実施する

いかがでしたでしょうか?

御社で組織サーベイがやりっ放しになっているのであれば、すぐに現場の変化、職場の改善が行われるために見直しを行いましょう。

サーベイの実施を検討しているのであれば、今のリソースで、サーベイ後の現場へのフィードバック、改善アクションの設定まできちんと整備できるのか、改めて考えてみてください。

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テレワークでのマネジメント、コミュニケーションのコツ

テレワークのコミュニケーション方法とは

本来なら、評価制度や労務管理、コミュニケーション手法など、綿密に準備した上で導入を進めたいテレワークですが、国の緊急事態宣言で、急遽在宅勤務を余儀なくされた組織も多いと思います。

システム環境や業務フロー、PC等の機材など「ツール」の検討に終始しがちですが、忘れてはいけないのが「テレワークのコミュニケーション方法」です。


当たり前だった、顔を合わせて行うコミュニケーションが、画面越しに変わる。

ちょっと声をかければ確認できたことが、チャットや電話をしないと確認できない。

これは大きな変化で、メンバーやマネジャーにとってかなりのストレスとなります。

だからこそ、テレワークでのコミュニケーション方法には十分に配慮する必要があります。

テレワークのマネジメントは細かい確認が増えがち

テレワークでよく聞くのが、「上司からの細かい確認が増えた」という声です。

チャットツールなど環境を整える一方で、テレワークにおけるコミュニケーション方法や管理方法は手探りなことが多く、多くの職場で運用の問題が起こってしまっています。

上司はメンバーの行動が見えなくなることで、ちゃんと仕事をしているのか不安になります。

一方、上司はいつものように声をかけたつもりでも、メンバーからすると

「せっかく集中していたのに…」

「丁寧に返信するのは面倒…」

「ちゃんとやってるのに、信用されてないな…」

などストレスの原因になってしまっています。


テレワークの長期化によって、マネジャーとメンバーの関係性が壊れてしまう職場が問題化するかもしれません。

今回は、このような事態を避けるべく、テレワーク時のコミュニケーションに役立つ工夫をご紹介していきます。

テレワークのコミュニケーション|部下から能動的に報告させる

能動的な仕事か、受動的な仕事かによって、モチベーションに明確な差がでます。

上司の問いかけに対して回答する状態は「受動的」になってしまいますが、予め報告のタイミングを定めておくことで、メンバーが自ら報告をしてくる「能動的」な状態を作ることができます。

タイミングは、「毎日●時と●時」「毎週水曜日の●時」など、上司が確認したいポイントで構いません。

こうすれば、良い報告に対しては「いいね!」と称賛でき、進捗が悪い時もメンバーから状況を知らせてくれるようになってきます。

メンバーとの1on1の設定や、「相談タイム」という予定を入れておくと、相談しやすくなります。

ちょっとした工夫ですが、効果は大きいのでぜひ試してみてください。

テレワークのコミュニケーション|口頭コミュニケーション(電話やビデオ通話)を活用する

オフィスワークでは、上司の状況を見て「今なら大丈夫そうだ」と相談しにいきます。

しかし、テレワークになると状況が見えないため、相談するのにも気を遣うようになります。

マネトレ利用者でも、話せば1分で終わる相談をするために、数十分かけてメールを作成しているという事例もありました。とても非効率です。

こうした非効率を防ぐために、メンバーが気軽に相談しやすい状態を、マネジャー自ら作ることが重要です。

<口頭コミュニケーション(電話やビデオ通話)を活用する>

気になることや気づいたことがあったら、「今5分くらい〇〇について電話して大丈夫?」と断った上で、メンバーと直接話して解消しましょう。

テレワークマネジメントが上手い方は、短い口頭コミュニケーションを多用されています。

監視するためといった意図はいけませんが、理由があるのなら問題ありません。

注意点としては、連絡をする前に、事前に今から話せるかの確認をいれましょう。

テレワークは自由度の高い働き方です。常に仕事をしている状態を期待することは現実的ではありません。

メンバーは休憩がてら散歩をしているかもしれません。家事や子供の世話をしているかもしれません。

そのため、いきなりの電話ではメンバーはバツが悪くなることもあるので、変なストレスを与えてしまい逆効果になってしまいます。

また、女性メンバーの場合は、お化粧をしていないかもしれませんので、予定していたMTG以外の、自分からのビデオ通話は控えた方が賢明です。

<相談の仕方、気軽に相談してOKだと明示する>

自ら実行することに加えて、メンバーに対しても、下記のように相談の仕方を明示することで、コミュニケーションが円滑になります。

・電話の場合→「○○について、電話で2,3分相談可能ですか?」

・チャットの場合→「〜〜の件、以下2つの方法がありますが、①の進め方で良いでしょうか?」

テレワークのコミュニケーション|少し大袈裟にリアクションする、感情を載せる

メールやチャットでは、表情や声色などノンバーバルな情報が伝わらないため、少し大袈裟なくらいにリアクションする、あえて感情を載せることを意識してみてください。

いくら「フランクに」「気軽に」と言ったとしても、上司が変えていかないとメンバーは変わりません。上下関係がしっかりした会社ほど気をつけたいポイントです。

例えば下記のようなイメージです。

  • 「○○の件、報告ください。」
         「○○の状況はどうかな?
     
  • 「了解。」
          「了解。すごくいいね!
     
  • 「(悪い報告に対して)わかりました。」
         「なるほど。残念だね。。

顔が見えないためニュアンスや感情が伝わりづらいからこそ、チャット等に感情を載せる必要があります。

少しの工夫ですが、対面でのコミュニケーションまではいかないまでも、怒ってはなさそう、承認されている、というニュアンスは伝わるようになり、メンバーは安心します。


以上、テレワークにおけるコミュニケーションの工夫についてご紹介しました。

どれもちょっとした工夫ですが、非対面のコミュニケーションを円滑にすることができます。

ぜひ明日から取り入れてみてください!


▶︎ 関連コラム:テレワークのマネジメント

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より良い組織を作るための組織開発の3ステップ

組織を改善するためにはどうしたらよいか?

サーベイで組織の課題は分かったけど、どうやって改善に取り組んでいけばいいか分からない。
チームのありたい姿に対してどう近づけていったらいいか分からない。
こうした悩みをお持ちの方は、ミドルマネジャーや人事に多くいらっしゃると思います。
今回は、組織を改善していくための具体的なステップと、その過程で想定される課題について解説します。

組織開発の3ステップ|見える化(課題把握) → 対話 → 改善アクション

組織改善のPDCは、見える化(課題把握) → 対話 → 改善アクションこの3つのステップを回していくことで行います。

まず、自チームの現状(課題)を把握することがファーストステップです。

課題把握のため行動は、基本的には「従業員サーベイによる可視化」もしくは「ありたいチームの姿と現状のチームの姿のギャップ分析」このどちらかによって行います。

どちらでも構いませんが、ありたいチームの姿とのギャップから現状(課題)を把握する方法は、マネジャーの個人レベルでは有効ですが、人事的観点で全社に適用するのは難度が高いので注意が必要です。
理由は、チームを率いるマネジャー自身がありたい姿を持っていないと、ギャップの把握ができないためです。
全てのマネジャーにそうした理想や目標を持っていて欲しいとは思いますが、実態はそうではありません。実態と大きく乖離のある施策はうまく運用に乗りません。


管理職研修で全員に目標を設定させても、行動変容に繋がらない理由はここにあります。本心でそういった理想像を持っていない場合、当然ながら自分事として捉えられません。
結果、現場に管理職が戻っても研修で立てた目標は覚えていないので、一向に実行されないケースはよく見られます。

全社的に組織改善に取り組む場合、従業員サーベイによる組織の可視化によって、今起きている課題の把握(見える化)を行います。
ここでは「課題は分かったけれどどうしたらよいか分からない」という問題が発生します。
知見がほとんどない部分の結果が悪ければ仮設を立てるのは難しいため、サーベイ結果を受けた後に改善計画が立てられないマネジャーのフォローアップが必要になります。

組織開発のステップ2|仮設と対話によって課題の原因を探る

「従業員サーベイによる可視化」もしくは「ありたいチームの姿から足りない部分を逆算」で課題を把握したら、次は仮設を立て、メンバーとの対話によって、なぜ課題が発生しているかの原因を探っていきます。

例えば、「メンバーはチームの目標が分かっていない」という事実があった場合、それはチーム目標を設定していないからなのか、それてもチームへ共有がされていないからか、共有はしているけど浸透していないのか、そしてそれはなぜ起こっているのか、そうしたことを自分で内省し、原因を考えます。

次に、仮設をベースにメンバーと対話を実施します。
ここでいう対話は、どうして課題が発生してしまっているのか、どうして認識違いが起きてしまっているのか、お互いの違いを把握する行為です。メンバーへのヒアリングとは異なります。

違いを明らかにするには、相手の考えを聞きつつも、自分の考えを伝えてお互いのギャップを見える化する必要があります。
そのためにも、対話の前段階で自分なりの仮説立てをすることが重要です
自分の考えもなくただヒアリングするだけでは、部下の発言を促せずなかなか本音を聞き出せません。対話の際には、改善したい姿勢がメンバーにも伝わるよう心がけましょう。

▶︎ 関連コラム:効果的な部下との対話とは?


また、自分で考えてはみるものの、「課題の原因が分からない、思い当たらない」と、止まってしまう方も多いです。
課題の原因が分からない、仮設が立てられないというのは、組織改善の実行が止まってしまうポイントの一つです。
このような場合は、周囲の信頼できる人に相談するのも有効です。
マネトレユーザーでも、「どうしてこんな結果になっているか分からない。原因はなんだろうか。」とコーチに相談をいただくことがあります。
考えられる原因候補をいくつかお伝えすると、思い当たる節があることがほとんどです。

自分を振り返ることが苦手なマネジャーに対しては、「課題の原因例」を提供し、内省を促すと、思考の幅が広がり、自身の足りていない部分を想像することができるようになります。

結果、メンバーとの対話をスムーズに行える可能性が高まるので、ぜひそうした情報提供までセットで考えてみてください。
このタイミングでは、上司や人事は、マネジャーの内省でのサポートも、意識して実行していく必要があります。

組織開発のステップ3|改善アクションを設定する

メンバーと自分の考え方のギャップを明らかにした後は、どうやって改善するか、改善のための具体的なアクションを決める必要があります。
ところが、ここで現場マネジャーには「課題は分かったけれど、どう解決したらよいか分からない」という問題が頻発します。

その結果、サーベイを行って課題は分かったけれど、課題が放置されている組織がたくさん生まれてしまいます。
もちろん、きちんと内省ができ、自分自身で方法考え、改善サイクルを回していけるマネジャーもいます。
一方で、今まで気づいて来なかった問題に、対処ができず止まってしまうマネジャーもかなりの数発生します。
世代間の価値観の違いが大きくなっているため、過去からの蓄積、これまでの経験値だけでは対処できない新しい課題が増えていることもその要因です。

現場が実際に改善サイクルを回していくためには、こうした悩みがマネジャーに発生することを前提に、上司や人事は適切にサポートする内容や方法考え、フォローするタイミング設定し、マネジャーの実行部分もチェックしていくことが必要です。
現場だけで組織の改善サイクルが勝手に回っている状態を作るのは、極めて難しいのです。

組織開発の実行には、現場へのサポートが欠かせない

いかがでしたでしょうか?
もし御社で組織改善のサイクルが上手く回っていないのであれば、それはやる気の問題ではなく、実行する現場がどう進めたらいいか分からず、課題が放置されてしまっているからかもしれません。
組織開発においては、今回あげたような問題が発生することを前提に、サポートする上司や人事の体制まで計画することが重要です。
より良い組織をつくるために、ぜひ改善サイクルを回していきましょう。

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1on1ミーティングのやり方|質問集と継続のポイント

1on1が失敗してしまう理由と対処法

「1on1を導入したが続かなかった」という声は意外と多いです。
続かなくなる理由5つとその対処法について解説します。同じ過ちをおかさないようにしましょう。

① 「上司のための時間」になり、メンバーが意味を感じなくなる

1on1は「部下のための時間」であり、「部下との信頼関係づくり」「部下の成長支援」の2つが主な目的です。
ところが、いつの間にか上司のための時間、業務進捗管理ばかりとなってしまうことが多いのです。

<対処法>
・アジェンダを用意し、お互いが準備した上で対話する場づくりを行う

② 1on1実施前に、部下への説明を怠る

まだ1on1をやったことのない部下にとって、1on1の効果や意味はよくわかりません。
新たに業務が増えると感じ、忙しいからやりたくないと考える人もいます。

<対処法>
・1on1でどういったことを行なっていきたいか目的を明確にし、部下にしっかりと説明し理解を得る

③ 忙しいからとスキップしてしまい、段々と実施されなくなる

忙しいからとスキップしてしまうと、1on1は重要でないと部下が考えるようになります。
すると、部下も1on1をスキップするようになり、いつの間にか実施されなくなっていきます。
マネジャーは1on1を重要だと考えており、部下のために使う時間を大切にしている姿勢を崩してはいけません。

<対処法>
・忙しい時や予定が入ってしまった時は、スキップせず再設定する

④ 最初から完璧にやろうとして、堅苦しい場になる/準備が大変で続かない

最初から完璧にやろうとして、負担となってしまい続かないケースがあります。続かなくては意味がありません。
まずはフランクに話せる場を作ることを目指し、中身は徐々にブラッシュアップしていきましょう。

<対処法>
・最初から完璧な進行や内容を目指さない、まずはフランクに話せる継続した場作りを
・はじめはお互いの人となりを理解し、1on1をどんな場にしていきたいかの共有で十分

⑤ なんの話をすれば良いかわからず会話が進まない

部下のための時間だからと、部下に「何か話したいことある?」と丸投げしていては話が広がりません。
事前に質問や話す内容を考えましょう。

<対処法>
・部下の価値観やキャリアなどを最初に聞いておくと話を広げやすく、仕事の任せ方や、目標設定、評価などにも役立つ
・時間が経ってくると、いまさら聞きづらい…となってしまうので、1on1を始めるタイミングは普段話さないテーマが話しやすいタイミング

効果的な1on1を行うためのアジェンダ作成の方法

事前にアジェンダを共有することで、メンバーはそのテーマに対してどんな話をしようかと考えてくれるます。
事前準備が重いと続かないので、アジェンダは簡単なもので構いません。
状況に合わせた1on1で使えるアジェンダ例を紹介しますので、参考にしてください。

1on1初期(メンバーを理解し、信頼関係を構築する)
・お互いの人や価値観の理解(10分)
・今後のキャリアの考え(10分)
・今の業務のキャッチアップ(10分)

1on1ルーチン(状態を確認し、内省機会をつくる
・目標の進捗状況(5分)
・業務上の気づき、振り返り(10分)
・チームに対する意見や気づき(5分)
・悩みや相談事項(10分)*1on1冒頭で、相談有無を確認すると時間配分しやすい

目的別で追加するアジェンダ
・評価軸の説明 : 目標設定や評価の前など
・あなたへの期待:目標設定や評価面談時、新しい業務や役割を任せる時など
・会社やチームの方針や目標:目標設定の前、四半期や毎月の区切りなど

1on1で使える具体的な質問例

人となりを理解する質問
  • どんな時にやりがいを感じる?
  • どんな仕事にやりがいを感じる?
  • この会社に入ったきっかけは?
  • 入社した時はどんなことやりたいと考えてた?
  • 入社前後でギャップはあった?(良いギャップ、悪いギャップ)
  • これまで一番の成功体験は?
  • 今の仕事に活きている長所は?
  • 最近はまっている趣味はある?
  • 学生時代、熱中していたことは?
  • 過去にこだわるタイプ?現在重視?未来志向?
  • 個人的な背景や家族のことで私が知っておくべきことはある?
今後のキャリアの考えを聞く質問
  • 今後どんな仕事をしていきたい?
  • 今後のキャリアはどう考えてる?
  • 3〜5年以内にこれだけは成し遂げたいと思うことは?
  • マネジメント志向?スペシャリスト志向?
  • これからどんな能力を伸ばしていきたい?
今の業務をキャッチアップする質問
  • 今の仕事で、最も面白いと感じることは?
  • 今の仕事で、ストレスに感じることは?
  • 仕事上、どんな対立がある?
  • 今まで、どんな仕事をしてきたか教えて
  • 最近の仕事量はどう?程よい?少し余裕ある?
  • 今やってる仕事で、無駄だなと感じる業務はある?
  • 今担当している業務の中で、過小評価されていると感じる業務はある?
目標の進捗を確認する質問
  • 先週の自分の仕事は何点?
  • 減点の要因は?
  • どうすれば100点取れた?
  • 期初に立てた目標は達成できそう?
  • 次までにどんなことに取り組む?
  • 誰かの助けが必要な障害はある?
  • 中長期の目標達成のために、自分の何を変えるべきだと思う?
  • 仕事関係で尊敬している人は誰かいる?どんなところを尊敬してる?
業務上の気づきや振り返りのための質問
  • 成功要因は何だと思う?
  • どうしたらうまくできたと思う?
  • 今回の成功(失敗)から何を得た?学んだことは?
  • 次はどんなことに気を付ける?
  • 最近、チャレンジできてると感じる?
  • 最近、新しいことを学べていると感じる?
チームに対する意見や気づきを聞く質問
  • 最近、同僚との関係性はどう?誰と仲が良いの?
  • チームの一体感を感じる?
  • チームメンバーは、チームにコミットしていると感じる?
  • 同じチームメンバーで褒めたい人はいる?
  • チームをより良くするためのアイデアある?
悩みや相談事項を聞く質問
  • 今日この場で相談、確認しておきたいことはある?
  • 最近、何か困っていることはない?

いかがでしたでしょうか?
1on1はとても効果的、効率的なマネジメント手法です。
継続できている企業・組織では、1on1は当たり前、無くてはならないものとなっています。
ぜひ今回の内容を参考に、1on1を継続していきましょう。 

1on1ミーティングの始め方|1on1とは?

1on1ミーティングとは?

1on1とは「上司と部下が1対1で行う定期的なミーティング」のことです。
2022年にリクルートマネジメントソリューションズが発表した調査によると、従業員100名以上の企業での1on1ミーティングの導入率は半数を超え、多くの企業で導入が進んでいます。

1on1は、部下の現状や悩み、キャリア等を理解し、対話を繰り返すことで問題解決や気づきによる部下の成長をサポートする時間です。
1on1は、比較的短いスパンで定期的に実施されます。週に1回、最低でも月に1回実施します。
従来からある半期に一度の評価面談のような、部下を評価することを目的にしたものではありません。

従来の面談では上司の発言量が多く、上司の質問に部下が答える一方向のコミュニケーションになりがちでした。
1on1は、上司と部下の「対話型コミュニケーション」です。
上司が報告を求め、指摘する「管理のための時間」ではありません。
評価のような堅苦しい雰囲気ではなく、フランクな雰囲気の中で行い、部下の考えや価値観を引き出します。

部下の成長をサポートするための時間であり、1on1が終わったあとに、部下が「話してよかった」と思える状態が理想です。

元々は米国のシリコンバレーの企業で始まり、現在はヤフー、ソニー、楽天などの大手企業からベンチャーや中小企業まで幅広く採用されています。

1on1の導入が進む背景

さまざまな環境変化から、管理職はこれまでより難しい環境でのマネジメントを求められるようになりました。

管理職を取り巻く環境変化

・働き方改革による生産性向上

・単純作業の自動化による創造的仕事の増加

・働き方や価値観の多様化

・不確実な時代で変化が求められる

・採用難により社員の離職防止が求められる(退職理由1位は上司との関係性)

・背中を見て育て、のマネジメントは通用しない時代

・従業員エンゲージメント向上が求められる

・転職が当たり前の時代

さらに働き方や価値観が多様化するなかで、マネジメントの難易度は格段に上がっています。
上司が一方的にアドバイスできない、しても聞き入れてもらえないといった状況が生まれています。

これまで日本企業における上司と部下の関係性は、上司が一方的に指示・指摘する「指示・命令型のマネジメント」でした。
上司・部下の間での1対1の決まったコミュニケーションは、半年に1回の評価面談が主流でした。
ネガティブな指摘も多く、上司との面談は良い印象のものではありません。
部下が話したくなるような雰囲気ではなく、お互いを理解するには短すぎる時間です。
半期に一回では、メンバーの日々の仕事意欲を高めることはできず、変化に対応するにはスパンが長すぎます。

上司は部下の主体性を引き出し、意欲を高め、変化に柔軟に対応する必要があります。
毎週や隔週といった短いスパンで定期的に部下と対話する「1on1」は、部下の価値観を尊重しながら、意欲を引き出し、成長を支援する手法です。
1on1は、今の時代にあった効率的・効果的なマネジメント手法として、導入が進んでいます。

1on1の基本的なやり方

1on1の基本的なやり方
  • 頻度:週1回〜隔週1回(少なくとも月1回)*定期的に
  • 時間:1回30分程度(難しい場合は15分でも時間をとることが大事)
  • 目的:部下のための時間(部下の成長、目標の達成、タイムリーなフィードバック、信頼関係構築)
  • ポイント:キャンセルではなくリスケジュール、事前にアジェンダを共有

部下のための時間として定期的に実施するのが1on1の基本で、1回あたりの時間や頻度は無理ない範囲からスタートで構いません。

今の業務に「追加」と考えるのではなく、必要に応じてメンバーと会話しているものを、予めスケジュールを確保するスタイルに切り替えると考えましょう


「毎週1人ひとりに30分も時間を取れない」という声もありますが、メンバーが8人だとすると週に4時間、月に16時間で、実は業務時間の10%程度です。

現状でも、部下とのコミュニケーションに10%以上の時間を使っているのではないでしょうか?

その時間を、定期的な部下とのコミュニケーション(1on1)に振り向けることで、より効果的・効率的なマネジメントへ切り替えていこうというのが1on1です。

1on1の始め方

1on1を実施してみようと感じていただいた場合、どうやって始めるか?が気になると思います。

これから1on1を始めようとするときのポイントは、3つです。

1on1を始めるときのポイント
  1. 1on1の目的を明確にし、アジェンダ・質問を用意する
  2. 部下に「なぜ1on1をやるのか」をきちんと伝える
  3. 定期的な予定として、先の日程まで予定を押さえておく

1on1を実施する際のポイント

① 1on1の目的を明確にし、アジェンダ・質問を用意する

1on1は、部下を理解し、部下の成長を支援する場です。

ところが実際にはじめてみると、頭では分かってはいても、ついつい目の前の仕事の話になりがちです。それを防ぐためにも、予めアジェンダ、質問を用意しておきましょう。

② 部下に「なぜ1on1をやるのか」をきちんと伝える

いきなり上司から面談が組まれたら、部下は何か悪いことをしたかと不安になるでしょう。

「なぜ1on1をやるのか」をきちんと伝えましょう。そうすれば、部下は自分のために時間をとってもらえたとポジティブに捉えることができます。

③ 定期的な予定として、先の日程まで予定を押さえておく

1on1は、定期的に開催するものです。予定が埋まってくると予定を合わせるのが大変になります。先の日程まで予定を押さえるようにしましょう。毎週月曜日の午後など、固定してしまうのも1つの手です。

他の予定が入ってしまった場合は、スキップすることはせず、必ず再調整するようにしてください。


いかがでしたでしょうか?
次回は、1on1で具体的にどんなことを話せばよいのか、具体的なアジェンダや質問例についてご紹介します。

テレワーク マネジメントの基本|必要なルールと考え方

テレワークになった途端、対面を前提としたこれまでのマネジメントが機能せず悩む管理職が増えています。
今回は、テレワーク マネジメントの基本のルールや考え方についてご紹介します。

テレワークでの不安|メンバーはちゃんと仕事をしているのか?

メンバーにとっては、通勤時間が削減できたり、仕事に集中できたりとプラスの効果も大きいテレワークですが、マネジャーにとっては不安の方が大きい方も多いようです。

中でも一番は、「メンバーはサボらずちゃんと仕事をしてるか?」という不安。

特に、マネジメント=管理という考えが強いマネジャーは、普段からメンバーがちゃんと行動しているかをチェックしているため、テレワークになった際にこの不安が大きいようです。


不安だからといって、「あれやった?」「これどうなってる?」と頻繁に上司から連絡が来たらどうでしょうか?

メンバーは連絡の度に、集中力が分断され、返信に時間が取られます。

あまりに頻度が多いとうんざりし、自分は信用・信頼されてないと感じてモチベーションを失うかもしれません。

このように、テレワークではメンバーが目の前にいないため、メンバーの行動を逐一把握して、行動をコントロールするマネジメント手法は難しいと言えるでしょう。

行動コントロールから結果コントロールへ

マネジメントの考え方に、行動コントロールと結果コントロールというものがあります。

<行動コントロール>
最も直接的な管理方法で、誰がやっても同じ結果が出せるような「行動」を定め、メンバーがその通りに行動しているかを確認、指摘します。

<結果コントロール>
具体的な方法はメンバーに任せ、最終的な結果(成果)を設定します。
定点的な結果を評価し、フィードバックすることで、目標達成に導くアプローチです。

テレワークでは、メンバーの行動が見えづらく、行動コントロールでは工数がかかりすぎてしまう難点があります。

そのため、これまで行動コントロール型のマネジメントを行っていた場合は、結果コントロールへ考え方をシフトしてみてください。

結果コントロールの利点は、具体的な行動をメンバー自身が決めることにあります。

これまでの経験からも実感があるかもしれませんが、人は自分が決めた程度が大きいほど、強い動機付けを感じます(=自己決定理論)。

メンバーに最終到達地点を伝え、辿りつき方は自己決定させるようにすることで、メンバーの内発的動機付けを高めることができるでしょう。

テレワークのルール設定|ルールが組織の不要なストレスを下げる

ここまで概念的な話ばかりだったため、具体的にどんなルールを設定するのが良いか例を挙げていきます。(各社利用しているツールなども異なると思いますので、活用できそうなものがあれば、ぜひ取り入れてみてください。)

① 朝昼夕の「あいさつ」を徹底する

オフィスでは同僚が近くにいることだけで安心感があると思いますが、テレワークでは家で一人になることへ漠然とした不安を感じやすいです。チームで一緒に働いているという実感も薄くなります。

社内チャットツールなどを用いて、始業時、昼休憩時、就業時のあいさつを行うのがおすすめです。


・始業時→「おはようございます!今から仕事に入ります!」

・昼休憩時→「ランチタイムに入ります」「仕事戻りましたー!」

・終業後→「お疲れ様です。お先に失礼します!」


チームとの関わりが作れる効果に加え、仕事に入りますと宣言することで気持ちを切り替える効果もあります。

自宅だとついついだらけてしまうメンバーもいるかもしれませんので、あいさつで気持ちを切り替える機会を作るのは有効です。

実行する際は、業務上の伝達事項のチャンネル(スレッド)と混ざってしまわないように、「ランダム」や「雑談」といったチャンネルを別に作って行うとスムーズです。

また、始業時に「オンライン朝会」などビデオ会議を定例で設定するのは非常に効果的です。5〜10分程度でも、互いに顔を合わせて会話することで、チームの一体感を感じることができます。

② 基本的に「即レス」する

チャットで話しかけて返信がないと、「ちゃんと仕事してるのか?」という疑念を抱いてしまったり、確認が取れないと進まない仕事は効率が落ちてしまいます。

そのため、チャットで届いたメッセージには「できる限り即レスする」というルールを設けておきましょう。

オフィスにいる時は、話しかけられたらすぐ返事をするはずです。それに変わるものとメンバーに伝えると良いと思います。

③ 個人の予定表を共有設定し、テレワーク中の業務を予定として記載する

相手が何をしているか見えないため、共有予定表に自分のスケジュールをきちんと入力しておくのも大事です。

予定がきちんと書かれていれば、連絡する側もそれをみて配慮できます。

集中して作業を行いたい場合は、予定表に「集中タイム」と記載することや、チャットツールで「●時まで集中タイム」と共有することで、レスポンスが遅れることのイライラから解放されます。

情報発信、情報の共有を意識的に行う

物理的に集まることができない状況下においては、対面のコミュニケーションと異なり情報の共有や確認が難しくなります。

マネジャーは対面でコミュニケーションが取れない分、積極的に情報発信、共有することを心がける必要があります。

また、本来集まってコミュニケーションを取ることで相互理解していた業務進捗やKPI、目標等を、テレワークでも誰もが確認できる状態や仕組みを作ることは極めて重要です。

情報共有や相互理解の低下は、メンバーのストレスや業務品質の悪化、生産性の低下等に繋がります。テレワークにあった情報共有のあり方を模索してみてください。

対話とは?|部下と信頼関係を築くためのコミュニケーション

対話とはマネジメントに必須のスキルである

メンバーと双方向のコミュニケーションがなかなか生まれない。
1on1でいつも自分ばかり話している気がする。
サーベイの結果で、メンバーと信頼関係が構築できていないことが分かった。
こうした不安や悩みは、管理職であれば多かれ少なかれ持っていると思います。原因のひとつに、メンバーとの間違った「対話」があります。

「対話」はスキルです。
ただ何となく1on1を重ねても上手くなることはありませんし、何も勉強せずに対話の能力が高いケースはめったにありません。
対話は、意識して訓練しなければ上達しません。
単にお互いに会話をする以上の意味が、対話にはあります。

今回は、「対話」の正しい意味と、正しく対話をするための方法について解説します。

対話は議論ではない

対話は「議論」ではありません。
対話とは、上司の意見をメンバーに納得させることではありません。
対話とは、メンバーからの要望をヒアリングすることでもありません。

議論では、話し合いを通じて、何らかの結論を決めます。
ヒアリングでは、要望を聞き出します。
対話はそれらとは異なります。

対話は、お互いの「意見や認識のズレ」に気づき、「違い」を明らかにすることです。
相手の意見をいったん受け入れ、考えている背景を理解することを対話といいます。
お互いが歩み寄る行為といえます。

なぜ対話が重要なのか?

対話のない状態での議論では、異なる意見の際に部下のやる気を削いでしまいます。
上司と部下ではパワーバランスが異なります。いきなり真に議論することは難しいです。
対話を通して部下は受け入れられた感情を持てるからこそ、上司が異なる意見だったとしても聞く心持ちができます。
上司が受け入れる姿勢を示すことで、発言しても良いという安心感を持つことができます。

ヒアリングの姿勢だけでは、本来組織を一緒に変革してほしい部下を、要望を出しそれが改善されることを期待する傍観者にしてしまいます。
対話によって、部下にも考えを問うからこそ、部下を主体的なチームの一員にすることができるのです。

上司と部下では持っている情報量もスキルも異なるので、結論が違うことはままあります。
最終的には議論や説得をしても構いません。
上司が判断すべき場面、正しい場面の方が多いでしょう。

しかし、メンバーに納得してもらう、意思決定に賛同してもらうためには、まず上司は部下を受け入れ、違いやその背景を理解することが必要です。

対話は自分とは違う正しさがあることを認めること

誰でも自分に対する反対意見や、意に反することを受け止めるのは難しいものです。相手の言うことが「違う」と感じたら、対立してしまいます。
自分の正しさを論理的に説明しようとするのは、普通の反応です。
「それは違うよ」と、すぐ説得、または指摘をしてしまう上司がこれにあたります。

しかし、それは対話ではありません。
自分の正しさをいったん脇に置き、相手が考える理由や背景について受け入れる。
自分とは違う正しさがあることを、認めることが対話です。

部下は上司とは違う人生を生き、違う人格を持っています。
部下にも部下なりに、そう考える理由があります。
上司と同じように、考えた理由や背景を持っています。

部下は上司より経験が足りないケースが多いので、上司が正しいことの方が多いかもしれません。
それでも、まずは部下の考える理由を受け止め、理解しようと努めましょう。
その結果、上司としての意見は変わらなくてもいいですし、変えても構いません。

部下の考えている背景を理解し、上司の考えの背景も理解してもらう。こうしたプロセスを経ても意見が異なる場合はあります。
その際は、上司としての判断、考えををきちんと伝えましょう。
上司と部下では情報量や見ている景色が違います。
最後は上司が判断すべきです。

それでも、まずは部下の考えを受け止める。
この対話のプロセスが、部下との信頼関係を築きます。

部下を傍観者にしてしまうヒアリングに注意

対話の際の注意点としては、部下に確認するという単なるヒアリングにならないようにすることです。
上司が「何が悪い?どうしたらいいと思う?」と聞いてばかりだと、部下の態度が傍観者になってしまいます。

上司としては、一緒に組織を良くするために、部下にも主体的に役割を発揮して欲しいはずです。
ところがヒアリングだけだと、部下は要望の実現に期待するようになります。その結果、当事者意識がなくなってしまいます。
マネジャーが組織を良くしようと、メンバーへのヒアリングを続けた結果、逆にチーム状態を苦しいものにしてしまうケースは少なくありません。

部下に主体性を持たせる対話を行うには、次の3点を意識してコミュニケーションを取りましょう。

対話の際に意識すべきポイント

・部下も共に改善を図るメンバーだと思ってもらう

・要望だけ聞いてしまうことを避ける

・自分だけで意思決定せず、部下も含めて一緒に考える

上司は部下に対し、「あなたはどう貢献できるか?」「どのような形なら協力してもらえるか?」というチームへの貢献を求める姿勢を忘れないようにしましょう。

上司がトップダウンで判断しなければならない課題や、部下がタッチできない問題、アクションが不要なもの(状況確認等)についてはヒアリングは有効です。
場面によって使い分けましょう。

部下とのコミュニケーションなしにマネジメントは機能しない

いかがでしたでしょうか?
部下とのコミュニケーションなしに、マネジメントは機能しません。
「対話」は、マネジメントする上で必須のコミュニケーションスキルです。
自身の対話力が上がると、チームの変化や、マネジメントの効率化を実感すると思います。
いきなり上手くできる人はほとんどいません。実際にメンバーとの対話を通じて、試行錯誤して上達していくものです。
今回ご紹介したポイントを意識して、ぜひ部下との「対話」に取り組んでみてください。

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