コラム

目標設定のやり方|気をつけたいポイント

「目的」「目標」「ノルマ」の違い

目標の話でよく話題にあがるのが、「目的」「目標」「ノルマ」など言葉の意味の違いです。

ニュアンスは理解して使い分けている方が多いと思いますが、実際の目標設定では、ノルマに近い内容になっていたり、目標設定が形骸化しているケースが多いです。


マネトレ利用顧客でも、同じ会社・同じ制度で目標管理を行なっているものの、組織により目標設定のスコアに差が出ます。

今回は、言葉の違いに触れつつ、目標設定のポイントについてまとめます。


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最終的に目指すのが「目的」、その通過点や手段が「目標」

まずは目的と目標の違いについて。目指すものという点ではどちらも共通ですが、広辞苑によると、以下のような違いがあります。

・目的:成し遂げようと目指す事柄

・目標:目的を達成するために設けた、めあて

最終的に目指す地点が目的。その目的をどうやって達成するのか、過程を具体的に設定するのが目標です。


目的は、抽象的・包括的な観点で語られることが多く、「なぜそれをやるのか」という意味や意図を含んで使われます。会社や組織は多様な考えを持つ人の集まりなので、単に目指す地点を示すだけでは理解されないこともあります。そのため、なぜそこを目指すのかという意図も含めることで、社員の理解が深まります。


目標は、目的を達成するための手段・通過点なので、達すべき数値や状態を具体的・個別的に落とし込み設定するものです。つまり、目標設定のためには、会社や組織の目的が明確に示されていることが前提となります。

目的が明確でない場合、社員は各々独自の解釈で目的を定めたり、目的がないまま適当に目標を書くしかありません。これはベクトルのずれや、目標の形骸化に繋がります。


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ノルマは一方的に課されるもの

もう1つ、目標と近い意味で使われる言葉にノルマがあります。ノルマとは、一定時間内に果たすよう個人や集団に割り当てられる標準作業量のことをいいます。

第二次大戦後のシベリア抑留者が伝えた言葉で、実はロシア語が語源です。シベリア抑留では劣悪な環境での強制労働を強いられ、その時課せられていたのがノルマ。達成できなければ厳しい罰則が待ち受けていました。

こういった背景から、ノルマは、上から下へ一方的に押し付けられる、仕事上でこなさないといけない最低限のラインを意味しています。


目標設定のスコアが低い原因をマネジャーに考えてもらった際、「上司が自分の考えを押しつけている」「目標を自分で決めたと思えていない(腹落ちしていない)」という原因がよく出てきます。

上司から会社や組織の目的をきちんと伝えるのは重要ですが、目標まで上司の考えを押しつけてしまうと、その目標は、メンバーにとってはノルマに近いものになってしまいます。


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3人のレンガ職人に学ぶ目的の重要性

イソップ寓話の「3人のレンガ職人」の話をご存知でしょうか。


ある旅人が、3人のレンガ積み職人に、それぞれ「何をしているのか?」と話しかけます。 3人ともレンガを積むという全く同じ仕事をしていますが、それぞれの回答は違いました。


1人目「見ればわかるだろう。レンガを積んでいるのさ。」

2人目「家族を養うため、金を稼いでいる。」

3人目「歴史に残る町の大聖堂を造っているんだ。」


これこそが「目的」の違いによる差です。全く同じ仕事をしている3人に、同じ質問をしたにもかかわらず、ここまで大きな差が出てきます。

1人目の職人にとってレンガ積みは作業。特に目的を持たずただこなしている状態です。

2人目の職人にとってはお金を稼ぎ家族を養う手段。より高待遇の仕事があれば転職してしまうでしょう。

3人目の職人にとっては、歴史的建造物に関わること、世の役に立つことが目的でやりがいのある仕事になっています。


このように、同じ仕事に関わっていたとしても、目的の違いによって仕事のやりがいやモチベーションは大きく変わります。上司は目的を理解していたとしても、メンバーが理解していなければ、1人目の職人のような作業をこなしている状態になってしまいます。


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目標設定のポイント

実際にメンバーの目標設定を行う際は、いきなりメンバーに任せきりにしたり、マネジャー自身の考えを押し付けるような設定は適切ではありません。


メンバーに考えてもらう前に、会社の目的(戦略や方針)と、組織の目的(役割や目標)をメンバーにきちんと説明することが必要です。


会社や組織の目的が伝われば、メンバーはその目的を意識しながら目標設定できる状態が整います。

目標設定を依頼して、メンバーが設定した目標に対して、目的達成のために正しい目標か、目標が高すぎないか、低すぎないか等、すり合わせを行ってください。

きちんと会社や組織の目的を伝えれば、目標設定を依頼する際に、マネジャーからそれぞれのメンバーに期待を伝えるのは問題ありません。あくまで期待であり、目標(ノルマ)を押し付けないように注意してください。


また、目標設定のスパンが半年や1年など長い場合は、状況変化により設定した目標が現状に合わなくなってしまうことがあります。せっかく立てた目標なのに、忘れてしまっていることも少なくありません。

目標は設定して終わりではありません。

1on1などで定期的に目標についてコミュニケーションをとり、適宜目標の修正や、メンバーが目標を意識して仕事ができるようサポートをしていきましょう。


いかがでしたでしょうか?目標設定はマネジメントをする上で強力なパワーを発揮するものですが、ただフォーマットを埋めてきてそれを承認するようなケースも多く見られます。ぜひ参考にしてみてください。


※具体的な1on1の方法は、こちらのコラムをご参照ください。

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