チームの複雑な問題に対応するための考え方
チームの複雑な問題に対応するための考え方

チームの複雑な問題に対処するには?|マネジメントの判断軸の作り方

マネジメントをしていると、判断の難しい複雑な問題に出会うことは日常茶飯事です。
業務を進める上での判断は得意でも、チームや人に関する問題で判断に悩む管理職は、多く存在します。
会社方針や文化、個々のメンバーや置かれた状況など変数が多く、マネジメントは共通の正解があるわけではありません。
しかし、マネジメントにおける複雑な問題を、シンプルに判断するための考え方はあります。

今回は、チームの複雑な問題に対応するための方法や、判断軸の作り方について解説します。

判断するためのマネジメントの軸の作り方

複雑な問題をシンプルに判断するためには「自分たちは何のために存在し、どんなゲームをしているのか」を、マネジャーが理解することが大切です。

判断軸を作るためのポイント
  • 自分たちのチームは何のために存在するのか?
  • どんなゲームをしているのか?

この2つが複雑な問題に対処するカギになります。
人に説明できるレベルで言語化しましょう。

たとえば大手通販プラットフォーム企業を例に考えてみましょう。

  • 私たちは、いつでも自宅で、欲しいものがすぐに手に入る社会を実現するために存在する。
  • 私たちは、地球上で最もお客様を大切にする企業であり、お客様を起点に考える。
  • 「価格」「品揃え」「配送スピード」「サイトやアプリの使いやすさ」がビジネスの成否を分けるゲームをしている。



ここで重要なのは、メンバーの行動や判断にも影響を与えられる、「具体性のある言語化」を行うことです。
事業部、部、課といった組織の階層レベルで、「どんなゲームをしているのか」という部分は変わります。
自身がマネジメントする組織より大きすぎる設定だと、現場での判断軸として使いにくいです。

たとえば上記企業の配送チームのマネジャーであれば、「時間どおりの配送」「誤配送の少なさ」「配送スピード」「配送コストの安さ」がビジネスの成否をわけるゲームをしている、となるでしょう。

複雑な問題は判断軸をベースに対処する

会社組織における起こりがちな問題のひとつに、平等や公平に関するものがあります。
機会の平等や公平は重要である、と多くの人が思っている価値観です。
そのため、マネジャーはそうした不満が出た際に、どう判断すればよいか迷ってしまいます。

メンバーは、不公平だと不満を募らせ、上司に意見を言ってきます。
すると、上司はどう答えたらよいものか悩んでしまいます。
そんな上司を見て、他のメンバーは優柔不断だと管理職に不満を持ちます。


平等や公平は考慮されるべきものです。
しかし、会社組織はビジネス上の目的のために存在しており、メンバーの平等や公平のために存在しているわけではありません。

マネジャーは「自分たちは何のために存在し、どんなゲームをしているのか」を基準にシンプルに判断すればよいのです。

常に優先されるのは「自分たちは何のために存在し、どんなゲームをしているのか」

たとえば先の例題の企業で、配送を支える物流チームだけ、リモート勤務がしにくかったとします。
ある物流チームのメンバーが、下記のように進言してきたとしましょう。
「他のチームだけズルい、不公平だから自分たちもリモート勤務を増やしてほしい」
「ただし、トラブル対応がスピーディーに行えないことで、配送への悪影響は避けられない」


こんな時にも、平等や公平よりも優先されるのは下記になります。

  • 私たちは、いつでも自宅で、欲しいものがすぐに手に入る社会を実現するために存在する。
  • 私たちは、地球上で最もお客様を大切にする企業であり、お客様を起点に考える。
  • 「価格」「品揃え」「配送スピード」「サイトやアプリの使いやすさ」がビジネスの成否を分けるゲームをしている。


配送スピードが遅くなれば、存在意義である「すぐに手に入ること」から遠ざかります。
最も大切なお客様はガッカリするかもしれません。
配送スピードが遅くなれば、ゲームで負けてしまいます。

つまり、配送への悪影響を回避できる方法を見つけない限り、今回の申し出を受け入れることはできません。
上司として、受け入れられない判断を伝え、きちんと理由を説明しましょう。

ビジネス本来の目的を果たすためには、メンバーが不公平や不平等を受け入れなければならない場面も発生します。それは仕方のないことです。
会社組織で優先されるのは「自分たちは何のために存在し、どんなゲームをしているのか」だからです。

複雑な問題をスムーズに解決するために普段から心がけること

「自分たちは何のために存在し、どんなゲームをしているのか」、メンバーに日頃から伝えるようにしましょう。

この共通認識がチームに浸透していれば、メンバーは上司の判断をすんなり受け入れることができるようになります。
メンバーが望む答えでなかったとしても、上司が普段から判断軸を伝えていれば、納得してもらえる可能性が高まります。上司は行きあたりばったりで判断したのではなく、一貫性を持った判断をしていることがメンバーにも分かるからです。

また、「自分たちは何のために存在し、どんなゲームをしているのか」を伝え続けることは、不満そのものを抑制します。
何のゲームをしていて今どういう状態か、メンバーが分からない状態では、メンバーの不満は発生しやすくなります。
「このゲームに勝つためには、チーム今の状況ではこうすることがベストだ」という認識が無いので、個々のメンバーの考えや価値観が重要視されやすいのです。

残り時間5分でチームは3点負けている。Aさんは1点しか取れないけれど、Bさんなら5点取れる可能性がある。
チームが勝つためにBさんにパスを出すのは、ビジネスとして当然の判断です。
ビジネスには目的があります。置かれた状況によっては、平等にチャンスを与えるわけにはいきません。

自分たちは何のために存在し、どんなゲームをしているのか伝え続けよう

いかがでしたでしょうか?

マネジメントをしていると、複雑な問題に判断をくださなければならない場面は必ず訪れます。
こちらを立てればあちらが立たず、といった難しい問題にも直面するでしょう。
そんな時、問題を放置してはメンバーからの信頼を失ってしまいます。
判断軸のないマネジャーの判断は、メンバーの不満を生みます。
常に優先されるべきは、会社組織における目的であり、顧客に選ばれることです。
「自分たちは何のために存在し、どんなゲームをしているのか」管理職は日頃から発信していかなければなりません。

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