部下のメンタル不調、体調不良にどう対応したらよいか?|コロナ禍で増えるマネジャーを悩ます問題への対処法
部下のメンタル不調、体調不良にどう対応したらよいか?|コロナ禍で増えるマネジャーを悩ます問題への対処法

部下のメンタル不調、体調不良にどう対処したらよい?|マネジャーを悩ます問題への向き合い方

新型コロナウイルスの影響もあり、昨今メンタル不調や体調不良を感じる方が増えています。
マネトレを利用する管理職の方々からも、「部下のメンタル不調や体調不良にどのように対応すれば良いか分からない」「そうした話をメンバーから受けた際に、良い対応の仕方を教えてほしい」といった相談が以前より増えています。

メンタル不調や体調不良への対応は、正解が定まっているわけではないため、とてもセンシティブで難しい問題です。
今回は、メンタル不調や体調不良が疑われるメンバーが発生した際に、管理職としてどう対応したら良いのか、その方法や考え方について解説します。

メンバーがメンタルや体調に関する相談、感情を吐露してきたら

「どうしても気分が落ち込んでしまう」「体がだるく疲れが抜けない」「最近すぐイライラしてしまう」「眠れない」「健康面で不安がある」というような、問題解決をマネジャーに求めるわけではない相談や感情の吐露があった場合、良いアドバイスをしてあげられないと悩まれるマネジャーがいらっしゃいます。
しかし、アドバイスができないことに落ち込む必要はありません。
メンバーが悩みを吐き出せていること自体が、ある程度ガス抜きになっています。
最も危険なのは、何も言ってくれないけれど悩んでいるケースだからです。
聞き出せている時点で管理職として一定の役割は果たせています。

マネジャーは、メンタル不調や体調不良に関する専門家ではありませんので、課題解決自体を行える能力や権限があるわけではありません。サポートしたいと色々と行動することが、かえって相手のストレスになったり、状況を悪化させる可能性もあります。
「もっと頑張ろう」というような励ます言葉は避け、相手の話を聞き共感する。
「もし業務に差し障りがあるようであればいつでも相談してほしい」といったサポートする姿勢を見せる。
まずはこれで十分です。状況を冷静に把握し、状況が悪く対応が必要であれば、後述する具体的なアクションを起こしましょう。

メンタルや体調の問題に際して管理職が持つべき考え方や対処法

管理職の責任範囲と考えて、メンバーのメンタルや体調の問題解決を抱え込んでしまう方がいますが、それは適切な対応とはいえません。

こうした問題は専門家や人事のサポートを活用すべき事象です。ここでは、部下のメンタルや体調の問題が起こった際に、管理職が持つべき考え方や対処法についてまとめます。

管理職が持つべき考え方や対処法

・管理職に求められるのは、従業員の健康や安全に気を配り、問題があれば状況や環境の改善に取りくむことです。

・こうした問題に関しては、マネジャーは把握、対処する責任はありますが、自分だけで解決する能力や権限を持っていないと理解しましょう。もし、何らかの対応が必要なレベルだと判断した場合は、適切に上長や人事に相談したり、メンタルクリニックへの診察を促しましょう。

・業務制限、配慮についての判断は、上長や会社のメンタルヘルス担当者が産業医と相談しつつ、医師の意見や本人の希望を勘案しながら決定していくのが一般的です。マネジャーが単独で判断することは避けなければなりません。

・周りの社員には、メンタルや体調の悩みに関する個人情報は漏らさないよう徹底しましょう。 また、こうした問題について予め話すことが決まっている場合は、必ず別室で行うなど配慮しましょう。

・1人の社員に変則的な対応を認めると、平等性の観点から、他の社員にも認めなければならなくなることも考えられます。また、それに付随して、給料、適用する期間といったルール作りが必要になる場合もあります。仕事の割り振りや業務時間も複雑になるため、現状の人員や体制でフォローができるか検討も必要です。
何らかの対応を行うことで、さまざまな影響を与える可能性があるため、何らかのアクションが必要な場合は一人で判断を行わず、上長や人事等に相談しながら進めることが求められます。

メンタル不調への対応の基本

メンタル不調への対応は専門家でも難しく、管理職が解決に導くのは難しい問題です。
そもそもの不調の原因や解決策が明らかであることはめったに無いため、共感したり、一緒に考えたりということでも十分に意味があります。

また、メンタル面の問題は、重症度が見分けにくく、ただの愚痴や落ち込み程度の感情の吐露かもしれず、管理職としては周囲に相談する判断がとても難しい事象になります。
後述する「メンタル不調の段階」を参考に、2段階目以降の症状があれば上司や人事に対応を相談する等のアクションを起こしましょう。

メンタル面への対応の基本

・「最近ちゃんと寝られている?」と睡眠について確認しましょう。メンタル不調が睡眠に影響を与え睡眠の質が悪化している場合は、メンタルクリニックなどの専門機関の助けを借りた方が良いケースです。上長や人事へ報告、相談をすべきです。

・基本的に過重労働は避ける必要があります。身体的な疲労・過労は、必ずメンタル症状を悪化させてしまいます。時間的・量的な業務軽減を検討しましょう。

・複雑な人間関係は精神的な負担になります。他部署や取引先との折衝業務は可能なかぎり避けるようにしましょう。
また、クレーム対応や気難しいクライアントへの対応等は、精神的なストレスをかけるため避けましょう。

メンタル不調の段階|相談するタイミングをどう見極めるか

メンタル不調には、下記3つの段階があります。

メンタル不調の段階

1段階目:ぼんやり調子が悪い、やる気が起こらない、感情の起伏が激しくなる。
2段階目:心身症(睡眠障害や、自律神経失調症等の症状が出る)
3段階目:行動変調(電車に乗れない、引きこもる、突然泣き出す)

※参考『「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」さて、どうする? 』上村 紀夫 著


もし、2段階目以降の場合は、何らかのケアなしに自力で戻ることはほとんど期待できなくなります。
産業医やメンタルクリニックへの相談には抵抗があり嫌がる社員もおり、専門家が機能しにくく、仮に適切な対応を取ったとしても解決しないケースもあります。
管理職としても、メンバーに黙って会社側に相談することがはばかられることもあるでしょう。
しかし、解決しないからといって、適切に会社側に相談をしなかったことで管理職が責められるケースもあります。最悪の自体につながるかもしれません。
メンタル不調は対応やタイミングが難しいですが、上記を参考に、適切に上司や人事に相談するようにしてください。

体調不良への対応

肉体的な健康に関して、管理職は医学的な意見や判断をする能力はありません。
通院や治療、業務への配慮等が管理職の責務としての対応となります。
昨今では、従業員の側の意識として、不妊治療や、女性の生理痛、子供の病気などでの在宅勤務やお休み等、より広範な事象での配慮が求められるようになっています。
現状の勤務形態や制度の中で対応できる部分については、管理職の判断で柔軟にサポートしていく必要があります。
一方で、より重篤な場合、肉体的な健康事由がありつつも勤務を継続するのか、退職するのか等は、各々の社員の判断になります。
また、通常勤務に問題が出るようであれば、会社としての判断や対応が求められるため、マネジャー個人で何らかの判断を下して配慮してしまうことは避ける必要があります。
いずれにしても、業務に支障が出る、なんらかの配慮が必要となるレベルであれば、上長や人事への相談をし、判断や対応を自分だけで行わないことが求められます。

メンタル不調、体調不良の予防には、組織を改善する日々の努力が重要

メンタル不調や体調不良は、起こってしまうと解決の特効薬はなく、対応や問題解決が非常に難しい事象です。
起こってしまう前の予防が重要です。
働きがい、働きやすさの向上で心身(メンタルや体調)のコンディションは改善します。
組織をより良くしようとするマネジャーの日々の努力で、メンタル不調や体調不良は防ぐことができます。

心身のコンディションとやりがい、働きやすさの関係性

心身のコンディションと、やりがい、働きやすさは密接に関係しており、「やりがい」や「働きやすさ」が高い組織では心身のコンディションは悪くなりにくいです。
反対に、「やりがい」や「働きやすさ」のない組織では、心身のコンディションは悪化しやすくなります。
メンタル不調や体調不良を防ぐという予防の観点で最も有効なのは、「やりがい」や「働きやすさ」を高めていく活動であり、より良い組織をつくろうとするマネジャーの日々のマネジメントの積み重ねです。
メンタル不調や体調不良を生まないためにも、マネジャーはマネジメントや組織の改善を継続して行っていきましょう。

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