テレワークマネジメントのコツを大調査|これを読めばリモートマネジメントが楽になる
テレワークマネジメントのコツを大調査|これを読めばリモートマネジメントが楽になる

テレワークマネジメントのTipsを大調査|これを読めばリモートマネジメントが楽になる

最新の東京都の調査によると、東京都内の社員50名以上の企業におけるテレワーク導入率は約6割となっています。
最近は新型コロナ感染者が減少しており、出社という従来の勤務スタイルに回帰する企業も出てきましたが、出社と在宅を組み合わさたハイブリッド型の勤務へ移行する企業が多い印象です。
コロナによるテレワーク(=リモートワーク)が徐々に解除されるとはいえ、今後もテレワークがゼロになる企業は少ないと予想されます。

実際、コロナで急速に普及したテレワークは社員にとって人気が有り、テレワークが出来ない・廃止されたことを理由に転職活動をはじめる例が目立ってきました。
今後、人口減少が進む日本において、採用競争力という面でもテレワークを程度の差はあれど認めることは必要になるでしょう。
つまり、テレワークでマネジメントを機能させられない企業(テレワークを廃止せざるを得ない企業)は、競争力が低下していくということです。
テレワークでのマネジメントは、ほとんど全てのマネジャーに今後も必要になります。

コロナによる在宅勤務が開始されてから約2年ということもあり、今回マネトレでテレワークの実態やマネジメントがうまくいっている組織を調査し、テレワークマネジメントに役立つ情報をまとめました。
ある程度うまくいっている方も、うまくいっていない方にも参考になる内容です。
色々なテレワークのコツをまとめたところ、13000字を超えるかなりの大作となってしまいましたが、ぜひご覧ください。

大前提|テレワークの取り入れ方や比重は企業によって異なる

まず大前提認識しておいていただきたいのは、テレワークの取り入れ方や、取り入れられる比重は、企業や職種により異なるということです。
事業も仕事内容もまったく異なる他社や社員の発信と比べて、どうしてうちはできていないのだろうと必要以上に悩む必要はありません。企業間でテレワークが上手くいっているかどうか単純な良し悪しの比較は難しいのです。

例えば、エンジニア組織はテレワークを取り入れやすいといわれます。
ITエンジニアは、PCを使って仕事をするため、テレワークで全ての業務が行えるといっても過言ではありません。
実際、今年11月に米国のNASDAQに上場を果たしたGitLabというIT企業は、創業から全社員ずっとフルリモートワークです。世界66カ国に1200名を超える社員がいる大きな会社となった現在も、フルリモートワークで経営を行っています。

一方で、同じエンジニアでも、モノづくりのエンジニアは、現物を触らないと仕事になりません。そのため、物理的にテレワークだけで仕事を完了させることは不可能です。
テレワークの取り入れ方や比重は企業や職種によって異なります。テレワークではどうしても代替することはできない部分なのか、それともやり方やITリテラシーが低いから、ペーパレス化やDX化が遅れているからテレワークが出来ていないのか、見極めて判断していく必要があります。

会社や上司の都合で安易にテレワークを廃止するはやってはいけない

ITツールの活用や、やり方の工夫を考えもせず、出社が一番楽だと安易にテレワーク全廃を判断することは禁物です。
冒頭申し上げたとおり、それは採用競争力、社員のリテンションに近い将来必ず大きなマイナス影響を与えます。
既に、上司がITツール(zoom会議のセッティング、チャットツールの利用等)についていつまでも学ばないので出社になった、これまで上手くいっていて出社する意味を感じない部分にまで上司が変わったことで出社を強制される、大した理由もないのに上司が対面の方がいいと言って原則出社に戻ってしまった、といったことが転職理由になっています。
パーソルキャリアがまとめた「中途採用領域マーケットレポート」によると、2021年同社が運営する転職サービスサイトdodaで、転職者に最も検索された1位のキーワードが「在宅勤務」、2位が「フルリモート」でした。
会社を選ぶ基準として、テレワーク・リモートワークはそれほどまでに大きな関心事となっています。

テレワークと対面でのマネジメントは決して対立構造ではなく、目指すところは同じです。マネジメントのやり方が異なるだけです。
やり方を知り実践できれば、多くの部分をテレワークマネジメントで行えるはずです。

現在実施されているテレワークの取り入れ方の種類

テレワークの取り入れ状況を分類し下記にまとめました。テレワークの比重はさまざまあるのが分かります。例えば当社では、③と⑤の両方で運用しています。
今後、各社どの程度のバランスが自社にとって最適か模索しながら進めていくことになるでしょう。

テレワーク導入の種類
  1. テレワークがベース(原則、全員テレワーク)
  2. テレワークが可能な範囲を決める(例:週2日までテレワーク可)
  3. 出社日を決める(例:月曜と水曜は原則出社)
  4. 本人が自由に決める(出社とリモートのバランスは各自が判断)
  5. 理由限定(育児、介護など理由がある場合はテレワークを認める)
  6. 原則全員出社

テレワークで現場マネジャーが抱える不安や悩みの種類

次に、「管理職の方々」がテレワークマネジメントする上で抱える不安や悩みについて調査した結果をまとめます(今回はマネジメントに絞っているので、メンバーや人事・経営視点での不安や悩みは省きます)。
下記に挙げる悩みを持たれていれば、それはあなた特有ではなく、他の方も同様に感じている悩みです。起きて当然です。
実に多くの悩みが寄せられており、テレワークマネジメントは、リアルなコミュニケーションが取れた対面でのマネジメントより格段に難しいことは確かなようです。
これらをどう解消していくかの方法については次章以降で述べていきます。

テレワークマネジメントで発生する悩み
  • 様子が見えないためメンバーの状態が分からず不安
  • きちんとマネジメントできているか分からない
  • 新人や中途入社者の育成が難しい
  • ソロワークのためメンバーの学びの機会が減っている
  • 人間関係構築ができず新しいメンバーとの関係性が希薄
  • チーム内の情報共有や交流が減ってしった
  • 業務の進捗状況の把握が難しい
  • 仕事に対するメンバーの自己評価がマネジャーとズレてしまう
  • メンバーがサボっているor働きすぎているのではないか
  • 生産性が落ちている気がする
  • テレワーク下で成果が変わらない人と落ちる人が分かれている
  • 業務に関係する人以外とコラボレーションする機会がない
  • チームの一体感が薄れている、メンバーの帰属意識が希薄化している

テレワークマネジメントで難しくなるもの

対処法について考える前に、まず「テレワークのマネジメントでは何ができなくなるのか?」をきちんと把握しましょう。
なんとなく感覚的に理解している方がほとんどとは思いますが、きちんと言語化し理解できているかどうかは、問題に対処していく上で大きな違いになります。
「対処する方法」は、会社や組織の状況、使っているITツール等によって最適が異なりカスタマイズが必要です。
しかし、対処しなければならない問題は各社で共通しています。

・偶然やついでの機会を使ったマネジメント

これまでは、皆がオフィスで働くことを基本としていたため、何か気づいたらすぐ話しかけたり、意図せずともすれ違ったりと、コミュニケーションを取ることができました。
反対に、メンバーも偶然やついでの機会を使ってマネジャーに報告や相談をしていました。
仕事ぶりや、顧客との電話での会話、雑談での表情や雰囲気といったリアルな情報をマネジャーは収集でき、そこから声がけや指導、アドバイスなどが可能でした。
たとえ外出が多い職種であっても、皆が出社する瞬間が必ずあるため顔を合わせる機会はありました。移動時間にコミュニケーションを取るような「ついでのコミュニケーション」も可能でした。
しかし、これはテレワークによって一変しました。テレワークでは、意図しなければコミュニケーションが発生しません。偶然を利用することはできなくなりました。

・プロセスや成果のタイムリーな把握、修正

リアルでのコミュニケーションで気づいた時に声をかけるのと異なり、オンラインでの頻繁な確認は監視されている感を強く与えるため、メンバーのやる気をそいでしまいます。また、マネジャーは確認にばかり割く時間はありませんし、チャットではすぐにメンバーから返信が来るかも分かりません。
つまり、タイムリーにプロセスや成果を確認することが難しくなります。
そのため、ある程度メンバーの判断に任せることが必須になります。テレワークはメンバーの自律により成り立つのです。
メンバーに判断を任せること、任せた上でプロセスや成果を確認し、適切な修正やフィードバックを与えることを実現するには、これまでにない「新たな仕組み」が必要になります。

・会社や組織へのつながりを感じてもらうこと

出社せず、離れた場所でひとりで働くことは、物理的に会社や組織に所属している感覚を持ちにくくします。
また、テレワークはメンバーひとりひとりが自律して働くことを促します。それは良いことである一方、組織における遠心力(帰属意識が薄れる)にもなります。
メンバーの自律は考え方にも影響を与えます。「自分ひとりの力で仕事ができている」と考えるようになったり、「会社や上司は自分に対して何もしてくれていない」と感じるようになります。
このように、所属する会社や組織にいる意味を感じにくくなることで、他社が魅力的に見えたり、キャリアアップを目指し転職を考えるようになりやすいのです。

・仕事で直接関わらない人たちとの交流、コラボレーション

オンラインで仕事をすると、基本的にコミュニケーションを取ろうと思わない限りコミュニケーションが発生しなくなります。
これは、仕事としての優先順位が低い他愛ない会話や、偶然顔を合わせたことによる会話、何かのついでに話に行くといった、これまで当たり前に発生していたコミュニケーション経路がなくなることを意味します。
反対に、通勤時間がなくなることによる時間の増加、オンラインコミュニケーションへのハードルの低下(オンラインセミナー、WEB MTG、チャットコミュニケーションなどの当たり前化)により、社外の人との交流が活発化しやすい傾向があります。
これは社員の自己成長にとってプラスの面がある一方、優秀な社員ほど引き抜きや転職を考えるきっかけになるマイナス面もあります。

テレワークは社員にとって大きなメリットがある一方、上記のようなデメリットがあるため、先に挙げたテレワークの導入方法の、②テレワークが可能な範囲を決める、③出社日を決めるといった仕組みで、リモートと出社の良い部分をそれぞれ活かしながらデメリットに対処しようとする企業が見られます。

テレワークマネジメントに必要な考え方のシフト

・意図して行うマネジメントへの変化

先の難しくなることで述べたように、「偶然やついでの機会」を活かすことができません。
なんとなくコミュニケーションが取れていた、思いついたら声をかけていた、でマネジメントはなんとかなっていた部分は意外に多いものです。
こうした部分を補うために、これまでの延長線上ではなく、マネジャーが意図して新たにコミュニケーション機会を設計する必要があります。

・メンバーの自律を支援するマネジメントへの変化

自身が部下にきめ細かな指示・指導することで支援し導いていく直接支援型のマネジメントはリモートでは難しくなります。なぜなら、物理的な距離が遠くなることで、マネジャーが直接関与できる部分は小さくなるからです。
部下の自由や裁量が増える(=アンコントロールの部分が増える)ことは、部下に自律して仕事をしてもらわなければならないことを意味します。
つまり、部下の自律を支援するマネジメントへ転換する必要があるのです。
部下に仕事を任せながら、必要な情報を提供し、振り返りの機会をつくりフィードバックをし、心理的なフォローする。それに対し、部下は自ら考え自律して仕事を進めていくことが必要になります。
また、指示やアドバイスといった与えるがベースだったマネジメントから、メンバーが自律して仕事を行う上での障害(例えばこれまでの仕事の進め方やルール、他部署との連携、メンバーが手に入れにくい情報等)を把握し、取り除く意識の変化も必要になります。

・仕組み化の重要性が格段に増す

全体、個別でのコミュニケーションを取るタイミング、報告や相談をもらうタイミング、情報共有と業務の見える化、フィードバックをもらうタイミング、雑談等のゆるいコミュニケーションのタイミング、これらの仕組みを設計しなければなりません。でないと、どれも中途半端でうまくいかなくなってしまいます。
何の仕組みもなしに、メンバーそれぞれが考えることだったり、報告しようと思うタイミングとマネジャーのそれとをピッタリ合わせることは不可能です。
仕組みの中で当たり前に微調整が行える状態、仕組みの中でメンバーのコミュニケーションが当たり前に生まれる状態をつくることが必要になります。

テレワークマネジメントを上手く行うコツ

ここからは、マネトレ利用者から収集したテレワークマネジメントの具体的なコツについて一部ご紹介します。
各々の会社や組織によって、カスタマイズが必要な部分も多いと思いますが、非常に参考になる内容です。

これまでに述べてきたテレワークマネジメントの要諦が理解できれば、具体的なコツの背景も分かり、ご自身の組織にマッチしたより良い方法を考えることができるはずです。

・テレワークの自由とそれに伴う責任についてメンバーに周知する

テレワークが当たり前になると、下記のようなメンバーが出てくることがあります。

・きちんと理由を説明した上で設定した出社機会を拒否する
・オンラインミーティングでは理由もなく常にカメラオフ
・就業時間中なのにレスポンスが遅い
・○○さんはきちんと働いているのかと他のメンバーから不満の声がでる

こうしたことが起きたら、マネジャーは即座に行動を起こさなければなりません。
もしくは、こうしたことが起こらないよう、事前にメンバーに周知する必要があります。

テレワークは社員の自由度を上げますが、自由には責任が伴います。
周囲を安心させる責任、チームの一員として皆と協力する責任、役割をしっかりと果たす責任、心身の健康を管理する責任など、責任を果たしてこそ自由を行使できるわけです。

責任をないがしろにして権利ばかり主張するメンバーを認めてはいけません。
責任を果たさないテレワークは認められないことをしっかりと認識させましょう。責任を果たさないメンバーが出てくると、同僚の信頼関係の悪化や、テレワークでの生産性が大きく低下してしまいます。
責任を果たさない場合はテレワークを一定期間停止したり、後述するルール設定を活用するのも効果的です。

・柔軟にルール設定し余計なハレーションを防ぐ

テレワークにおいては、ちょっとしたコミュニケーションが減少するため、すれ違いや不満が溜まりやすくなります。
そのため、これまでにはなかったようなルールを設定し、メンバー間での無駄なハレーションを防いだり、認識を合わせたりする必要があります。
会社や組織の状況によって異なりますが、テレワークを行う上で必要となるルールは、マネジャーが柔軟に判断し、設定するようにしましょう。
また、新たなルールを設定する際は、メンバーにその理由をしっかりと説明しましょう。

<ルールの例>
・オンラインミーティングではカメラは基本オン、バーチャル背景はOK
・顔出ししなくてもよいミーティングを設定する(例えば毎朝のショートMTGは顔出ししなくてOK等)
・集中していてレスポンスしたくないときは必ずスケジュールに入力する(ただし1日○時間まで)
・集中タイムや休憩時間以外は、○分以内にレスポンスをする
・予め予定されていないショートミーティングや電話をする際は顔出ししなくてOK
・基本的にグループチャットを利用して連絡する
・きちんと理由のある出社要請には、相応の理由が無い限り従う
・22時以降、土日祝日は基本仕事のチャット禁止
・毎日の行動計画を、始業時間までに休憩時間含めスケジュールに記入する
・タスクの進捗や完了はタスク管理ツールに必ず入力し毎日更新する
・仕事の開始、終わり時にはチャットで全体発信

・業務把握の方法|業務の見える化を行う(ITツールの活用)

テレワークには業務の見える化が必須です。
そして、業務の見える化(タスク管理、進捗把握)はアナログのみではできません。
よくコミュニケーションに頼った把握をしようと試みて、上手くいかず悩まれる方がいますが、アナログだけでテレワークの業務管理は不可能です。
テレワークとは、デジタルツールの進化により可能になった新しい働き方なのです。
ですから、コミュニケーションにプラスして、適切なITサービス(タスク管理ツール)を利用して業務進捗を把握する頭に切り替えるべきです。
会社が厳しく勝手にITツールを使えないということであれば、必要なITツールの利用を許可してくれるよう交渉しましょう。
コスト面が問題になるようであっても、Notionのように無料版の機能で十分使えるものもあります。承認次第で利用ができるはずです。

<参考:タスク管理ツール>
・Notion:https://www.notion.so/

・jooto:https://www.jooto.com/

・Trello:https://trello.com/ja

・asana:https://asana.com/ja

・マネジャーの役割変化やマネジメント方針の変更をきちんと説明する

テレワークでマネジメントは変わらざるを得ないと述べました。直接の指示や指導でなく、メンバーの自律を促す支援といったことはその最たる例です。
しかし、「今後こうしていきます。なぜならば〜」というコミュニケーションが抜けると、従来からの意図したマネジメントの変化なのに、メンバーの中には手抜きと捉える人も出てきます。上司がマネジャーとしての役割をサボっていると考えるわけです。
そうした勘違いを生まないよう、きちんとコミュニケーションを取ることが重要です。
もし、自律に不安があるメンバーがいれば、自律して行動できるようになるまでフォローをしっかり行うなど柔軟に対応していきましょう。

・方向性や期待する成果をしっかりと定義し、伝える

メンバーが自律して行動するためには、成果や方向性、納期、裁量(どこまで判断OKか)の明示が必須です。曖昧な中で仕事をさせればゴールがズレてしまいますし、メンバーとしてもそれで違うと言われては不満になって当然です。
途中や偶然やついでに間違いやズレに気づけくことはなくなるため、これまで以上に明確に共通認識として持たせることが必要となります。
きちんと言語化し、テキスト、口頭両方で伝える。タスク管理ツールなどを活用し、明文化して常にお互いが見えるようにしておく。定例ミーティングの資料の冒頭に必ずスライドを用意する。毎回1on1ミーティング時に確認する。
こうしたことを意識して行いましょう。

・全体発信する量を増やす/発信内容に配慮し思いやりを載せる

マネジャーとして全体発信を意識して以前より増やしましょう。
通常、テレワークマネジメントでは、以前と同じような全体発信の量だと発信量が不足します。すると、メンバーから見たマネジャーの存在が消えてしまいます。気づいたことがあれば積極的に発信しましょう。
会社や他部署の情報のシェアも有効です。これまでメンバーは公式、非公式含めさまざまな会社情報に接してきていました。
しかし、リモートワーク下ではそうもいきません。マネジャーは会社情報等を入手しやすい立ち位置にいますので、積極的にそうした情報をシェアしていきましょう。
加えて、発信するメンバーがいれば、それを積極的に承認称賛し、メンバーが発信しやすい雰囲気づくりも行いましょう。

また、発信内容には配慮や思いやりを載せましょう。
テキストだけだと、冷たく感じたり、発信者の想いは伝わりづらいです。特に叱るや指導、指示は思った以上に厳しく、冷たく相手に伝わります。
どんなにイライラしても、それをそのままメッセージで送るのはやめましょう。
急ぎでなければ一日置いて見直すのも効果的です。
思いやりや感謝を持ってメッセージを作成するようにしてください。

・報連相のタイミングの明示

メンバーに報告タイミングを任せると、業務レベルや個人の感覚で報告タイミングがさまざまになります。
また、いつでも相談してくれと伝えても、曖昧な「いつでも」はメンバーの質問や相談への心理的ハードルを下げません。下記のようにタイミングや方法等をより具体的に伝える必要があります。
また、一定のルール化も効果的です。ただし、監視と受け取られるような過度な確認はやめましょう。
メンバーのやる気を削ぐだけで百害あって一利なしです。

・例え予定が入っていても、チャットであればいつでも連絡してくれて構わない
・顧客との商談中以外はいつでも連絡してOK
・まずはチャットで連絡を。時間がある時にこちらから必ず折り返す。
・報告、連絡、相談の際は、いつまでにレスが欲しいか「期限」を記載して送ってほしい。

・コミュニケーションは基本テキストベースで行う

年配の方ほど電話に慣れているため、テレワークでのコミュニケーションを電話で行いがちなマネジャーもいます。
しかし、テレワークマネジメントにおいては、基本「テキスト化」し、全体チャットで行う等を意識してください。
個人的な内容なら電話で構いませんが、他のメンバーにも今回指摘したポイントを知ってもらいたい、お互いの進捗状況を知ってもらいたい、チームの情報をなるべく共有したい、といったことに電話は不向きです。
もし、共有しようと思えば、受け手がテキスト化して全体チャットに流すといた、メンバーに余計な手間を発生させることになります。
これはメンバーの負荷増加や不満に繋がりますし、どんどん情報共有に漏れが出てきます。
また、メンバーの自律を基本とするテレワークでは、後から情報にアクセスできる、振り返れることは非常に価値があります。
チャットなら忘れても後から遡れますが、口頭コミュニケーションはそれができません。
メンバーの自律に必要な、情報共有、振り返りという点で、テキストベースのコミュニケーションは優れており、テレワークと非常に相性が良いのです。

・必ず何らかのレスポンスをする(確認しただけで放置しない)

テレワークでは、上司や同僚の反応が見えにくくなります。
反応が見えないと、チーム内のコミュニケーションは顕著に減っていきます。
そのため、チャットに投稿された内容には必ず反応するようにしましょう。
反応が見えないと、メンバーの投稿する気が削がれてしまいます。
チームメンバーには積極的にレスポンスすることを促し、マネジャーも必ず何らかのアクションを行いましょう。
簡単なコメントができればベストですが、そうでない時は、いいね!等のスタンプでのリアクションでOKです。

・コミュニケーションタイミングの設計

偶然やついでのコミュニケーション機会が発生しないため、計画的にコミュニケーション機会を設定しましょう。
予め決まったタスクとして設定しておかないと、量が大きく減少します。
日々の忙しさでどうしてもメンバーとのコミュニケーションは後回しになりがちです。メンバー目線でも同じことが言えます。

また、どうしてもコミュニケーション量が少なくなってしまうため、例えば隔週で1on1を実施していたならば、毎週1on1を実施する等、機会の頻度を増やすことも検討してください。
時間がないと思われる方は、後述する全体ミーティングの効率化などで、会議の時間を短縮化し捻出することで、メンバーと1対1で対話する時間を設けてみてください。

・オンラインミーティングでは情報共有は事前に済ませる

オンラインミーティングは思ったほど長く集中できません。ミーティングが長くなれば会議に参加しながら他の作業をし始める人もでてきてしまいます。
これまでアジェンダを準備してこなかった方も多いと思いますが、目的や議題、既に判明している事実等は必ず事前に共有し、より会議の密度を意識しましょう。
細かい部分はさておき、情報共有をいちからオンラインミーティングで行うと聞き手は集中力が続かず伝えたいことも伝わらなくなります。
また、読めば分かるようなことであれば、それ事前に共有できたのでは?みんなで集まる必要ある?とメンバーの不満に繋がります。
テンポよく進み、予定していた時間より早く終わったならミーティングを切り上げてしまって構いません。

・オンラインミーティングでは個に問いかけながら輪を広げる

オンラインミーティングは、リアルと異なり二人同時に話すと音が被ってしまい聞こえません。
被ってしまった後の譲り合いについても、オンラインは行いにくいです(その声がまた被ってしまうし仕草もよく見えない)。
そのため、全体に質問を投げかけると発言が出にくい、全体に話しを振ってもレスポンスがない、といったことが生まれやすい構造があります。
そのような場合は、誰か特定の人に対して問いかけ、そこから他の人に広げていき、皆の参加・発言を引き出していきましょう。

・オンラインミーティングでの質問の促し方

発表者に質問したい時もリアルでのミーティングと異なりタイミングが難しいので、質問や疑問を思いついたら発表中でも「チャット」を使ってするように促すと話が盛り上がりやすいです。
チャットに対しては、発表者の好きなタイミングで答える、最後にまとめて答えるでもどちらでも構いません。
最後にだけ質問時間を設けると、内容を忘れてしまったり、疑問が浮かんだ時から時間が経ち「やっぱりいいや」と質問をやめてしまう人が生まれ、議論が盛り上がりにくくなります。
また、全体会議は議題が終われば終了し、個別質問等がある人とマネジャーは残って話すことも有効です。

・テキストで良いので積極的に承認称賛をする

テレワークは放っておくと承認称賛がなくなってしまいます。
良い結果だけでなく、良い行動や進捗に対して、マネジャーは積極的に承認称賛を行いましょう。
チャット内でメンバーからも他のメンバーに対する承認称賛が出てくる雰囲気づくり、協力を仰ぐことも大切です。
テレワークでも、意識すれば承認称賛のポイントを、チャットやオンラインミーティング内に思った以上に作れるはずです。
プロセスや結果の可視化があっても、承認称賛がないとチームの一体感が作れません。
お互いに承認称賛のないチームは、メンバーの個人主義が進み、チームへの貢献心がなくなり、利己的なメンバーばかりになりやすいので注意が必要です。

・メンバーの自律度を見積もり、そしてその変化に気を配る

細かすぎる関与は駄目ですが、関与しなさすぎ、放置もいけません。
メンバーそれぞれの自律度を見極め、適切な関与の仕方、タイミングを考えましょう。
また、自律度は変化します。
メンバーの成長によって、どこまで任せるかの範囲は変わります。
よくあるのが、テレワーク前の認識のまま、メンバーに対する認識が変化しておらず、メンバーは「もう自分はできる」と感じていることまで口を出してしまい、不満が溜まるというものです。

テレワークでは上司と綿密なコミュニケーションを取って仕事を進めるわけではなく、また個人ワークが増えることで、メンバーの自己評価と上司からの評価のズレが発生しやすいです。
メンバーの自律度は変化し、任せる範囲を柔軟に変更していく必要があることを頭に入れておきましょう。

・評価面談とは別にメンバーから自身の実績を説明させる場を設ける

テレワークでは、どうしても成果をベースに評価せざるを得なくなります。
マネジャーは、仕事ぶりが見えなくなることでプロセスの評価が難しくなり、従来の対面でのマネジメントの時と異なり、結果を重視してプロセスの比重を下げ評価します。
しかし、メンバーにはそれが分かりません。これまでと同じように自分が頑張ったプロセスについても自信を持っています。
そのため、これまで以上にマネジャーとメンバーとで、評価の認識のズレが生じやすくなります。
評価面談の場で、マネジャーは自分の仕事ぶりを見ていてくれなかったと不満が生まれないよう、事前にメンバーが思っている自身の実績を説明させる場を設けましょう。
説明を受ければ相手の言い分は理解できるので、その場で認識のズレを修正したり、改めて評価してみたり、その後の評価面談での伝え方を考えるといった対応を取ることができます。
評価の際には、〜な気がする、思うといった曖昧な言葉や感想を排して、「客観的な事実」をベースに伝えるようにしましょう。

・メンバーのライフを大切にする

テレワークにより、通勤のストレスがなくなり、家の中で仕事をするようになったことで、家族やプライベートへの考え方が大きく変化しています。
より家族やライフの大切さを感じるようになった人も増え、通勤時間より子育て環境を重視した住居に転居するケースも増えています。
このような背景があり、傾向として以前より働く人にとってライフの重要性が増し、社員は働く場所、時間の自由への希望を高めています。
つまり、これまで以上にメンバーのライフを気にかける、大切にしなければならなくなっています。
今後メンバーのライフを大切にしてくれない会社は選ばれなくなります。メンバーの仕事以外での活動(副業、趣味、ボランティア等)についても応援する姿勢を持ちましょう。
マネジャー、メンバーがそれぞれお互いのライフを尊重し、育児や介護、子供のイベント等で困ったときは助け合う状態が理想です。

・メンバーが仕事をする際の周辺状況にも配慮する

家の中に仕事を持ち込んでいるため、周囲への配慮も必要です。
例えば評価のタイミングで厳しいことを伝えたりといった場合は、相手の家庭の中での尊厳を傷つける可能性があります。家族に聞かれないような環境に移動してもらえるよう事前に伝えるなど配慮が必要です。
赤ちゃんがいる家庭であれば、せっかく静かに寝ている赤ちゃんが起きてしまうかもしれません。事前にチャットで今電話が可能か等確認すると良いでしょう。

・物理的な距離を埋める場の設定

ただオンラインで仕事をするだけでは、どうしてもメンバー同士のコミュニケーションやコラボレーションは減ってしまいます。それらを補う場の設定が必要です。

<例>
・若手を指導する担当を役割として設定する
・週に1度、オンラインランチ会を設定する
・他の人の良い資料などを参考にできるように、クラウド上に資料を格納する
・気軽な質問や、役立つ情報などを気軽に投稿して良いチャンネルを設置する
・マネジャー、メンバーの講師持ち回りで、週に1度勉強会を設ける
・ミーティングで、持ち回りでチームの誰かの良い仕事や感謝したことを発表する場を設ける
ミーティングで、困っていること、協力してほしいこと、廃止・解決してほしいことを発表できる場を設ける

・雑談の生み方

雑談のようなゆるいコミュニケーションを生むには、マネジャーの積極的な関与は欠かせません。いくつか事例をご紹介します。

<例>
・メンバーの誕生日を把握しておき、朝礼で必ず皆でお祝いを伝える(皆でおめでとうを伝えれば十分です)
・マネジャーが率先してチャットで毎朝あいさつする
・ミーティングでは事前に具体的な質問を準備し、特定の人に問いかける
・テーマを設定し、持ち回りで話てもらう。
特技の発表のようなストレスを感じる人がいる(人に言えるような特技なんてないよ!)テーマはやめましょう。
最近興味があること、嬉しかったこと、悲しかったこと、知って驚いたこと、仕事で気になっていること、のような誰も傷つけないテーマが最適です(複数から選ばせる方がメンバーはストレスを感じにくいです)。
※チームの人間関係の良さでテーマは大きく変わります

・新人や中途入社受け入れ時は可能であれば「出社」も組み合わせる

お互いの顔や人柄を知ることは、距離感を近づける上でとても重要です。これは対面が圧倒的に有利です。
可能であれば、メンバーの予定を調整し、実際に出社してコミュニケーションを取る機会を設けるとスムーズです。


いかがでしたでしょうか?

コロナによるテレワークへの急転換は大半の管理職にとって負担が非常に増えるものでした。
今なお手探りで日々のマネジメントをされている方も多いですし、マネトレでも管理職の方からテレワークを原因としたマネジメントの悩みの相談をいただくことも多いです。

また、対面の延長線上でテレワークマネジメントを行ってきた組織では、これまで対面で積み上げてきた信頼貯金を取り崩しながらやってきましたが、そろそろ限界を迎えているように感じます。

多くのマネジャーが悩まれているテレワークのマネジメントですが、以前に比べ世の中的にだいぶ知見が溜まってきた感があります。
今回改めてリモートマネジメントについてまとめてみて、テレワーク特有のコツももちろんありますが、従来からあった社員のエンゲージメント向上に見られる、より一人ひとりの社員を大切にすることや、個を活かすマネジメントと重なる部分が非常に多いと感じました。

新型コロナウィルスを機に起こった働き方の変化は、戻る部分もあれば戻らない部分もあるでしょう。
戻らない部分の一つがテレワークの活用だと思います。
テレワークマネジメントにお悩みの方は、ぜひ今回の内容を自分なりにカスタマイズしながら、活用していただければ幸いです。

マネトレでは、引き続きテレワークマネジメントについて調査、分析を行い、皆様のお役に立つ情報のシェアに努めて参ります。

▶ マネトレは、リーダーやマネジャーのマネジメント力を高めることで、組織のさまざまな課題を解決します。「コーチ」と「マネジメントナレッジ」を提供する新しいマネジャー育成サービスです。

マネトレでは、マネジメントや人材育成、組織開発に役立つさまざまな資料を、無料で公開しています。ぜひお気軽にダウンロードください。