リーダーシップ論
リーダーシップ論

サイモン・シネックが語るリーダーシップ論|インスパイア型リーダー

「WHYから始めよ」という言葉を聞いたことがある方は多いかもしれません。
世界的な人気組織コンサルタントであるサイモン・シネックが2009年にTEDで講演した「How great leaders inspire action」というリーダーシップ論から生まれたこの言葉は、世界中で有名になりました。動画の再生回数は4000万回を超え、TEDの歴代3位の再生回数を誇ります。

参考 ▶サイモン シネック: 優れたリーダーはどうやって行動を促すか(日本語訳付き)


What(何)でもHow(どうやって)でもなく、Why(なぜ)を伝えることが人を動かすために、もっとも重要であり、優れたリーダーはそうやって人々をインスパイアする。「Why(なぜ)」やるのか、目的の共有無くしては人々を先導することができない。
今では多くの日本の研修会社がリーダーシップ研修でこの話を引用し、あるいはTEDの動画を流し、利用しています。
そんなリーダーシップ論に多大な影響を与えたサイモン・シネックが、リーダーシップをより分かりやすく説明するため、絵本としてまとめたのが、今回ご紹介する『TOGETHER IS BETTER(邦題:一緒にいたいと思われるリーダーになる)』です。

リーダーシップとはいったい何なのか?そしてリーダーはどうあるべきなのか?第一人者であるサイモン・シネックが考えるリーダーに対するひとつの答えが、本書にはまとめられています。
これからリーダーを目指す人、自分のリーダーシップのあり方に限界を感じている人、より良いリーダーに変わりたいと考えている人、そうした方々にとって非常に学びがある内容になっています。

今回は、旧来の日本型リーダーとは大きく異なる、インスパイア型リーダーとは何か、またマネジャーに必要なリーダーとしての考え方について、書籍の印象的な文章をご紹介しながら考えます。

リーダーシップとは

リーダーシップとは、責任や権限といったことではない。
自分の部下である人たちをどう思いやるかということなんだ。

リーダーシップとは、争って勝ち取る階級や地位のことではない。
リーダーシップとは、仲間のために奉仕することを言う。

「上司」とは、ただの呼び名だ。
「リーダー」には、仲間がいる

引用:『一緒にいたいと思われるリーダーになる』サイモン・シネック著

リーダーと上司とは似て非なるものです。昇進したから自分はリーダーだと考える人がいます。しかし、それは違います。

上司は、上司本人の態度やメンバーからの信頼は関係なく、会社によって指定され勝手になるものです。
しかし、リーダーはメンバーのために奉仕し、メンバーから信頼を得なければなりません。
今の時代のマネジャーに求められているのは、上司ではなくリーダーです。

リーダーと上司は異なる

残念なリーダーの下で働いていると、会社のために働いている気分になる。
よいリーダーと一緒に働いていると、みんながお互いのために働いていると感じる。

チームに仕事を命令するだけでは、「労働者のトップ」にすぎない。
チームを信頼して仕事を任せてはじめて「リーダー」になれる。

引用:『一緒にいたいと思われるリーダーになる』サイモン・シネック著

労働者のトップとリーダーは異なります。労働者のトップは誰でもなれますが、チームをインスパイア(鼓舞)するリーダーになるためには努力が必要です。

リーダーが持つべきスタンス

リーダーは、挑戦して失敗する機会を仲間に与える。
そのあとで、もう一回挑戦して成功する機会を仲間に与える。

引用:『一緒にいたいと思われるリーダーになる』サイモン・シネック著

部下に仕事を任せられない、細かく口出ししてしまう上司は多いです。現実問題ミスが許されない仕事もありますが、部下を成長させることができるリーダーは皆権限委譲がとてもうまいです。

分からないことがあったら、声に出して聞いてみよう。
そうすれば、答えを知っている誰かが、助けの手を差しのべてくれるかもしれない。

引用:『一緒にいたいと思われるリーダーになる』サイモン・シネック著

リーダーは完璧で何もかも知っている必要はありません。うまく周りに頼ることも必要です。部下に弱みを見せられないと考えている上司の方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。部下の方が詳しい分野があっても良いのです。部下がリーダーを助けようと思える方が強いチームです。
ただし、助けを求めることと怠慢は異なります。
Zoom等でのTV会議のセッティングをいつまで経っても覚えようとせず、カメラの前に座り毎回部下にやらせている方をたまに見かけますが(これでは時間の節約にもならないし2名分の時間を浪費するだけ)、こうした学ぼうとしない姿勢は厳禁です。これはリーダーの怠慢です。
自分でも出来るけど、時間がない、会議室に入るのがギリギリになるため、それまでに同席する部下に準備してもらっている。これなら合理的な判断であり問題ありません。

残念なリーダーは誰が正しいかを気にする。
よいリーダーは、どの意見が正しいかを気にする。

引用:『一緒にいたいと思われるリーダーになる』サイモン・シネック著

発言者が誰かを気にする方がいらっしゃいますが、経験や年齢に関係なく、大切なのは意見の中身です。
この姿勢がないリーダーは周りから信頼されませんし、チームから意見が生まれなくなります。

何と戦うかがわかれば、変革を起こすことができる。
でも、信念がないと、変革は長続きしない。

引用:『一緒にいたいと思われるリーダーになる』サイモン・シネック著

耳が痛い言葉が並びますね。これらを全て実現できているマネジャーの方が少数でしょう。
信念は目的と言い換えても良いかもしれません。何か変えようと思った際には、マネジャーが信念や目的を持つだけでなく、メンバーにも目的を共有し共感してもらわないと、変革は続きません。

よいリーダーは、部下を奮い立たせ、リーダーの能力を信頼させるだけではない。
素晴らしいリーダーは、さらに部下が自分自身の能力に自信を持てるように奮い立たせてくれる。

引用:『一緒にいたいと思われるリーダーになる』サイモン・シネック著

上司として何かを言わなければ、と何でもかんでも指摘する方がいらっしゃいます。ポジティブな変化で応援したいことであっても、小言のような指摘を上から目線でしてしまう。こうしたことをマネジメントと勘違いされている方は非常に多いです。
承認・称賛し、応援することもマネジメントです。良いリーダーは、部下のやる気を引き出すポジティブな言い回しでのフィードバックを行います。
また、大差がなければ常に部下の意見を採用し、部下が自信を持てるようにします。

チームとは?

残念なチームは、同じ場所にいるというだけだ。
良いチームは、一緒に働いている。

一緒に働いているだけでは、まだチームとは言えない。
お互いを信頼してはじめて、チームと言うことができる。

チームとしてどれだけ素晴らしいことができるか。
それは、チームとしてどれだけ結束できるかにかかっている。

引用:『一緒にいたいと思われるリーダーになる』サイモン・シネック著

抽象的ではありますが、チームってなんだろう?そんなモヤッとした疑問に、答えてくれる言葉です。
もしまだチームでないと感じても問題ありません。今からチームになるための行動をリーダーが取ればいいのです。

リーダーは与える側だけではない

リーダーシップとは学ぶことから生まれる。
そして、最高のリーダーは、自分のことを、教師ではなく生徒だと思っている。

引用:『一緒にいたいと思われるリーダーになる』サイモン・シネック著

リーダーになっても学ぶことはたくさんあります。与える側だという固まった考え方は捨てましょう。
リーダーシップは学ぶことが沢山あり、また学ぶ姿勢からリーダーシップは生まれます。

知性に訴えて、納得させることはできる。
でも、心を動かさなければ、信頼は勝ち取れない。

引用:『一緒にいたいと思われるリーダーになる』サイモン・シネック著

ロジカルで正しいことで納得させることはできます。
ですが、感情を無視しては共感や信頼は得られません。
筋が通っている、合理的であることはもちろん必要ですが、リーダーはメンバーの感情にも常に配慮しなければなりません。


いかがでしたでしょうか?
サイモン・シネックが伝えるリーダーやチームに関する言葉は、とても汎用性の高い重要な考え方だと思います。
今回取り上げた内容と逆のことをしてしまっている方は、ぜひ自分の言動を見直してみてください。

サイモン・シネックは、「誰もがリーダーになれる力を持っているが、誰もがなりたいわけではないし、また、なるべきでもない」と述べています。
リーダーになるためには、努力が必要です。
チームのメンバーが活躍することによって、あなたが喜びを感じ、奮い立つことができれば、あなたはもっとチームのメンバーを奮い立たせることができる。
この良きサイクルこそが、サイモン・シネックが語るインスパイア型リーダーシップであり、今多くの企業で求められているリーダーシップの在り方と言えるでしょう。

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