形成期にあるチームの特徴
- マネジャーに説明や指示を求めようとする
- メンバーに対して遠慮や不安、緊張感がある
職場の人間関係があまり良くない、自分の仕事はするけど他のメンバーについて関心がないと感じていたり、従業員サーベイで同僚への信頼が低い、といった結果を見た経験はないでしょうか。
マネジャーにとって、メンバーの同僚という自分以外の対象が問題となっている場合、どうしたら良いか分からず悩まれる方が多い印象です。
ほとんどのケースでは、飲み会をする、休日にバーベキューをしてみるといった、業務外でのコミュニケーション増やそうとします。
しかし、ひとつの手段として有効ではあるものの、チームの発展段階によっては、量のコミュニケーションが意味をなさないケースもあります。
また、コロナ下では実施が難しかったり、仕事観の変化や、共働き、子育て、介護等多様な背景をもったメンバーが増えて、実施が難しいケースもあると思います。
今回は、タックマンモデルからチームビルディングについて考察し、日々の業務に盛り込むことで同僚への信頼を高める方法について解説します。
チームビルディング(組織進化)の有名な理論として、心理学者のタックマンが提唱したタックマンモデル(チームの発展段階)があります。
チームの発足から、チームが成果をあげられる状態になるまでを5段階に分け、各段階をクリアしていくことで、チームが機能しはじめ、最高のパフォーマンスが発揮できるようになるというモデルです。
チームの人間関係が良くないケースは、強いチームの手前である、準備期間(形成期、混乱期)の状態です。
チームの発展段階では、どんなチームにも「混乱期」がやってきます。混乱期を乗り越えるためにどうすべきなのか、今回は形成期、混乱期を中心にタックマンモデルを例に考えていきましょう。
<形成期>
・構成メンバーが決まった段階で、チームメンバーはお互いのことをよく知らない状態
・チームの共通の目標や、チームメンバー個人の役割も明確に定まっていない状態
最初は会話の「量」にこだわりましょう。チームのメンバー同士が気軽に話せる状況でないと、当然ながらチームは機能しません。
メンバーをシャッフルした定期的なランチ等でお互いが会話をする時間を持つだけでOKです。難しい取り組みは必要ありません。
<混乱期>
・チームとしての目的や個人の責任や役割が定着していない・理解しきれていないため、意見の食い違い、具体的な業務の進め方について対立が生まれる状態
チームの発展段階では、どんなチームにも「混乱期」がやってきます。チームとして前進していても痛みが伴う辛い時期です。このタイミングでは会話の「質」を意識する必要があります。質とは、お互いの考え方や価値観を知る時間ということです。
<統一期>
・チームの目指すべき目的や、各メンバーの役割や特徴が共有され、統一感が生まれはじめている状態
マネジャーは明確な目的や目標を指し示し、メンバーに役割を与えることが必要となります。また、メンバー同士が協力できるような仕組みづくりや、各々の存在感を発揮するために、与えた役割に対する成果を承認、称賛する等、チームの一人ひとりを主役にする活動が求められます。
<機能期>
・チームに結束力や連動性が生まれ、個人の主体性が高いながら対立することはなく相互にサポートができるようになる状態。チームとして最もパフォーマンスを発揮できる理想的な状態。
他のメンバーについて関心がない、従業員サーベイで同僚への信頼が低い、といったマネジャーを悩ます起こりがちなチーム状態は、「混乱期」にあたります。
混乱期を乗り越えられず何年も同じ状況で停滞してしまうチームも数多くあります。
単純なコミュニケーションの頻度・量を増やしても効果が薄い反面、解決の方法を知らないため、自分で考えてコミュニケーション量を増やす施策を実施するマネジャーが非常に多いのが特徴です。
乗り越えられないマネジャーの多くは、課題を感じて量のコミュニケーションを繰り返すものの、チームに変化が起こらないという辛い時期を過ごしています。
少し抵抗があるかもしれませんが、混乱期のタイミングではお互いの本音を知る「質」のコミュニケーションが必要です。
どんなチームも直面する混乱期を乗り切るために、ぜひ参考にしてみてください。
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