コラム

キャリアとは?|部下のキャリアを理解しマネジメントに活かす方法

キャリアとは、狭義では「職務経歴」を指しますが、広義では「働くことに関わる様々な行動、経験、機会、能力、成果、役割、意志、判断などの連鎖、蓄積」を意味します。

文部科学省は、「個々人が生涯にわたって遂行する様々な立場や役割の連鎖及びその過程における自己と働くこととの関係付けや価値付けの累積」と定義しており、過去だけでなくこれから先の未来も包含し、人生という長いスパンで連続するプロセスをキャリアとしています。


定年まで勤め上げる価値観は薄れ、転職が一般化してきたこともあり、キャリアについて考える機会が増えました。誰でも一度は、自身のキャリアについて考えたことがあるのではないでしょうか。


あなたが自身のキャリアを考えるのと同様に、部下もキャリアを考えています。

しかし、マネジメントをする中で、部下の希望するキャリアを知らない管理職も多いのが実状です。

今回は、部下のキャリアを理解する必要性や、マネジメントにどのようなプラスがあるのか具体的に解説していきます。

互いを理解し合うことは、信頼関係構築の第一歩

マネジメントを行うには、部下との信頼関係が前提となります。

信頼していない上司の言うことを、部下は心から同意して行動することはできません。

信頼なしで部下を動かそうとすると、役職のパワーを利用した命令になることが多く、与えられた仕事を仕方なくこなす状態に陥りやすくなります。

マネジメントは人と人との関わりなので、あなたの言うことなら信じて行動できる、このチームのために頑張りたいと思えるような信頼関係を築くことが重要です。


信頼関係を築くには、まずはお互いを理解し合うことです。

かといって、いきなりプライベートな話題は警戒されます。飲みニケーションやタバコミュニケーションは疎まれるようになってきました。

その中で、キャリアは働くことに関する話題であるため、取っ掛かりとして話しやすい利点があります。


「これまでどんな経験をしてきたの?」「今後どんな仕事をやってみたい?」

キャリアについて聞くことで、部下に対して関心を持っていることが伝わります。

入社の動機、やりがいに感じるタイミングなどに話を広げていけば、価値観の理解にも繋がります。


信頼の反対は無関心。部下に無関心では、信頼関係は築けず、組織のマネジメントはできません。

部下のキャリアを知らない場合は、まずこれまでの経験や成果についてメンバーに聞いてみましょう。

Will Can Must|部下が「やりたいこと」を理解する

キャリアを理解しようとする時、自己分析のフレームワークとして使われるWill Can Mustが参考になります。

部下の理解が浅い場合、マネジャーは組織としてやるべき業務を、できる人に任せるという考えになりがちです。

部下は責任感から仕事をこなしてくれると思いますが、やりたいと思えていない仕事だとモチベーションが長続きしません。

部下がやりたいこと(Will)についても、今後のキャリアの考えとして把握しておきましょう。

部下がやりたいことを聞いた上で、希望に合う仕事をアサインできないこともあります。

その時は、今、その仕事をアサインできない理由をきちんと説明しましょう。

スキルや知識が足りない場合は、具体的な課題として伝えれば、部下の行動変化につなげることもできます。


部下がやりたいことを知っておけば、今後仕事を任せる際に、「やりたい」と「できる」を加味してアサインできるようになり、期待の伝達がスムーズになったり、仕事に対するやる気を引き出すことができます。

また、自身のやりたいことを聞いてくれる上司であれば、信頼が生まれるだけでなく、いつか実現してくれそうという期待が持てます。

社員の定着や離職防止の観点でも効果的です。

1on1でのキャリア理解の方法(質問例)

キャリアの話は個別性の高い内容なので、安心して話せる1対1の場で話しましょう。

人は、過去の事実は答えやすいですが、未来の話や自分の考えなどは答えにくいと感じますので、最初は過去の仕事や経験について話を聞き、そこから話題を広げていくと部下が話してくれやすくなります。


以下は、具体的な質問例です。

一問一答のようになってしまうと、関心をもって理解しようとしている印象が薄れてしまうため、その人の価値観や考え方を理解するような質問へと会話の中で広げていく意識で進めてみてください。


質問例

  • 前の部署(会社)ではどんな仕事をしてた?
  • どんな仕事が得意だった?
  • 成果を出すためにどんな工夫をしてた?
  • なんでその仕事をやりたいと思ったの?
  • 就職(転職)活動の時は、どんな軸を重視してた?
  • 今の仕事でやりがいを感じるのはどんな時?
  • 今の仕事では、自分のどんな能力が活かせてると感じる?
  • 今の仕事でやり切れてないと感じることは?
  • 今後どんな仕事をしていきたい?
  • 今後のキャリアはどう考えてる?
  • 3~5年後にこれだけは成し遂げたいと思うことは?
  • マネジメント志向?スペシャリスト志向?
  • これからどんな能力を伸ばしていきたい?


キャリアの理解は、互いを知るための話題としてとっつきやすく、部下と信頼関係を築く段階でとても効果的です。

関係構築できた後も、部下の希望するキャリアを理解しておくと、仕事の任せ方を変えたり、足りない知識やスキルが部下の目標になったりと、マネジメントにおいてもプラスの効果があります。

ぜひ質問例も参考に、部下のキャリアを理解し、マネジメントに活かしてみてください。