コラム

仕事の任せ方|業績達成と育成を両立させるジョブ・アサインメントの方法

部下に仕事をアサインするとき、何を意識して、どのように任せていますか?

仕事の任せ方は、マネジャーの役割である「業績目標の達成」、「部下の育成」の双方に影響する重要な論点です。

マネジャーにとって、部下のコミットメントを引き出すために欠かせないスキルの1つと言えるでしょう。


今回は、悪い仕事の任せ方の例を紹介しながら、部下を成長させるアサインメントをするにはどうしたらよいか?そのポイントについて解説します。


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仕事を任せる重要性|仕事の任せ方で、部下や組織の成長が変わる

組織として働くのは、個人では為し得ない仕事を可能にするためです。

いくらプレイヤーとして優秀なマネジャーでも、組織の目標を1人で達成させる事は不可能です。

部下に仕事を任せ、仕事を通じて部下を成長させることが、組織として高い成果を実現するカギとなります。


しかし、実際の現場では、マネジャーが仕事を抱え込んでしまったり、部下の成長が期待できない仕事の任せ方になってしまっていたりと、仕事の任せ方が悪いケースが多々見受けられます。

原因は様々ですが、1つには、短期の業績目標に対する責任感が強すぎ、部下の育成視点が蔑ろにされていることがあります。


たとえば、組織の成果を最大化することだけ考える場合、頭を使う仕事は上司が担い、部下は考えずにひたすら行動するという仕事の任せ方も効率的に見えます。

しかし、これでは考えて行動できる部下は育たず、生産性向上にも限界があります。

代わり映えのない仕事に面白みを感じることができなくなるでしょう。


また、マネジメント人数が少ない場合は、マネジャー自身がプレイヤーとして成果を出す方法でもチームを達成させることはできますが、この方法はマネジメント人数が増えると不可能です。


部下の成長がなければ、マネジャーの業務が減ることはなく、忙しさから永遠に解放されません。

その上、会社は持続的な成長を求められるため、組織も中長期で成長し続けられる状態(中長期の視点)を目指さなければなりません。

マネージャーも、短期の目標達成の視点だけでなく、育成の視点、中長期の視点を持つ必要があります。


部下は仕事を通じて成長します。どんな仕事を任せるか、どのように任せるかで部下の成長の度合いが変わり、組織の成長が変わります。

「仕事の任せ方」は、組織として成果を出し続けるために欠かせないマネジメントスキルなのです。

悪い仕事の任せ方|代表的な3パターン

仕事の任せ方が悪い例として、大きく3つのパターンについて説明します。


① 任せられない(抱え込み)

「部下のレベルが低く任せられない」「自分でやった方が早い」「失敗して業績が下がってしまうのが怖い」というのが、よくある理由です。

任せられない背景には、部下を信頼していない、部下の成長を考えていない、失敗が怖いといった原因があります。


仕事を任せられないマネジャーには、育成の視点や中長期の視点が必要です。

マネジャーの方が部下より能力が高く、自分でやった方が確実なのは事実でしょう。

しかし、この考えでは、部下は「こなせる仕事」しかアサインされず、成長が期待できません。

失敗が怖いという感情は、マネジャーなら誰もが常に感じていることです。

怖いと感じながらも、部下に仕事を任せて成長させることを考えていかないとなりません。


これらを克服していくには、まず、部下の強みやキャリアの考えを知ることが必要です。

その土台があって初めて、どんな仕事を任せたら成長につながるかと考えられるようになります。

まずは、部下の成長に興味を持ち、1on1の場で部下の理解を深めてみてください。部下の考えや想いを知れば、任せ方も変わってきます。



② 任せきれない(細かい確認・指示)

「仕事の進捗状況が気になる」「進め方の要領が悪くイライラする」「意図していた進め方と異なる」などの理由で逐一状況確認をしたり、進め方まで自分と同じやり方を求めてしまっているパターンです。

これは本当の意味で仕事を任せている状態とは言えません。部下も「自分に任されている」と実感できないはずです。


任せきれないマネジャーに必要なのは、仕組みづくりと忍耐です。

失敗や試行錯誤する時間は、マネジャーにとっては非効率で工数が増えてしまうものですが、部下の成長のためには必要な時間です。部下の成長への投資として、時には失敗させたり、試行錯誤して学ぶ時間をぐっと我慢することも必要です。

とは言っても、マネジャーでフォローしきれない大きな失敗は事前に食い止めなければなりません。

そのためにも、任せるのが苦手な場合は、仕事を任せる際に中間報告を求めることから始めるのが効果的です。自身がフォロー可能なタイミングで報告を依頼しておくことで、そこまでの期間は部下に仕事を任せることができます。

また、部下から報告や相談をしてくるようになるので、フィードバックすることで成長機会にもなります。



③ 任せきり(丸投げ)

仕事を任せてはいるものの、任せ方が悪く丸投げされていると感じさせてしまっているケースもあります。

例えば「目的や背景の共有なしに仕事だけ振られる」「マネジャーが作るべき報告資料までやらされる」などの不満の声が聞こえてきます。


仕事を任せる際には、その仕事の目的や背景、制約条件などきちんと説明することが必要です。

これらは仕事を進める上での判断軸になります。判断軸が共有されていなければ、部下は誤った解釈で仕事を進めてしまう可能性が高まり、手戻りが大きくなってしまいます。


マネジャーがやるべき仕事まで部下に任せている場合、部下にその仕事を任せる目的を説明できないはずです。

部下はマネジャーが楽をするための人材ではありません。ここはきちんと切り分けましょう。



3つのパターンを紹介しましたが、このような仕事の任せ方をしていると、部下は成長せず、仕事にやりがいを感じることができません。

不満が大きくなると退職のリスクも高まってしまいます。

良い仕事の任せ方とは|アサインメントのポイント

では、部下を育成する仕事の任せ方をするにはどうしたら良いのでしょうか。

以下で、アサインメントのポイントについて解説します。


意識

  • 目標達成の視点だけでなく、育成の視点、中長期の視点を持つ
  • 自分と全く同じ進め方を期待しない(部下の工夫を受け入れる)

行動

  • 部下の強みやキャリアの考え方を知る(部下を理解する)
  • アサイン時、目的や制約条件を部下にしっかりと説明する
  • 中間報告を求め、そこまでは部下に任せる
  • 理由や期待を添えて仕事を任せる

優秀なマネジャーは、仕事を任せると同時に部下の動機づけをしています。

なぜあなたに任せたいのか、理由や期待を添えて仕事を任せる手法です。


「自社サービスを組み合わせた総合的な提案ができるようになりたいと言っていたよね。今回の顧客はそのチャンスがありそうだから、○○さんに任せたい」


「このプロジェクトは、当社のサービスの新しい柱になる可能性がある重要なプロジェクト。○○さんには少しレベルが高いかもしれないけど、フォローするのでやってみない?」


心理学でも、人は期待によってパフォーマンスが変わることが実証されています。(ピグマリオン効果/ゴーレム効果など)


なぜ任せたいのかを効果的に伝えるためには、経験、スキル、強み、目標、キャリアの考え方など部下の理解が欠かせません。

1on1などの場で部下の考えを理解していれば、仕事を任せる際に活かせるはずです。

いかがでしたでしょうか。

マネジャーの仕事の任せ方で、部下の成長、組織の成長の度合いが大きく変わります。

短期の目標達成はもちろん重要なのですが、部下の育成視点、中長期の視点も欠かせない視点です。

任せられない、任せきれない、任せきりという悪い仕事の任せ方になってしまっている場合は、ぜひ仕事の任せ方のポイントを意識してみてください。

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