ジョブ型とメンバーシップ型雇用|制度の違いと日本社会に与える影響について

これまで日本企業の多くは終身雇用・年功序列と共に、メンバーシップ型雇用を採用してきました。

新型コロナウイルスを契機に、従来の雇用形態を変える動きが広がっています。

最近では、日立製作所、KDDI、日本電産、富士通、資生堂といった大手企業が「ジョブ型雇用」の導入を発表しています。

日本のこれまでの雇用形態で主流だったのは「メンバーシップ型」でした。それに対し欧米は基本的に「ジョブ型」です。日本企業においても、海外の現地法人はジョブ型を採用しているケースが多いです。

大手企業のグローバルでの人事制度の統一や、新型コロナウイルスの影響でテレワークが増える中、従来のメンバーシップ型ではマネジメントや業務遂行がしにくいことから、2020年はジョブ型雇用への注目が急速に高まりました。

今回は、メンバーシップ型、ジョブ型それぞれのメリット・デメリット、運用の実態、ジョブ型導入による日本社会への影響について解説します。

ジョブ型雇用とは|グローバル標準の雇用の形

「仕事に対して人が割り当てられる」という雇用の形です。

事前に勤務地、報酬、職務の内容などの労働条件を細かく定め、その内容を職務記述書(Job Description)にまとめ、企業が労働者と合意して雇用契約を締結します。

仕事の内容は限定的で、専門性が求められます。

採用においては「職務遂行に必要なスキルがあるか」が重視され、担当する職務の内容や専門性の高さにより報酬が決まる「職務給」となります。


職務給は、職務(仕事)の難易度や責任の度合いを評価する賃金制度です。要するに「仕事の能力ではなく、仕事の内容を評価する」制度です。

そのため、年齢や勤続年数にかかわらず、責任や難易度が同じ仕事に取り組んでいれば、同一の賃金が支払われます。

ずっとその会社にいる社員が有利だということはなく、若くても中途採用者でも、能力があれば地位も給与も高くなります。

また、担当職務や責任が明確化されているため、プロセスではなく結果で評価でき、最近増えているテレワークやリモートワークといったプロセスが見えにくい働き方に向いている雇用の形といえます。

労働者は職務を自分の意志で選び会社と合意することができるため、自身が伸ばしたい専門性を磨くことができ、専門性を持ったプロフェッショナル人材が働くのに適しています。

グローバル企業で主流の、プロジェクトに応じて、それぞれの専門性をもったプロフェッショナルが集まりチームをつくり仕事をする、といった仕事の進め方に非常に相性が良い制度です。

一方、ジョブ型雇用では、仮に仕事で高い成果を出していたとしても、会社や事業の状況でジョブ自体が無くなれば解雇されます。

メンバーシップ型雇用とは|日本的な雇用の形

「先に人を採用し、人に仕事割り振る」という雇用の形です。

職務記述書(Job Description)の取り交わしは行わず、仕事内容や勤務地などを限定せず採用します。

採用する際には「潜在能力や人柄・コミュニケーション能力など」が重視されやすく、年齢や勤続年数等を基準とした「職能給」となります。

職能給は「仕事の内容ではなく、個人の仕事を進める能力を評価する」制度です。

能力評価における実態としては、仕事に取り組んだ経験を評価することが多く、年齢や勤続年数が判断に影響を与えます。

なれる人はこれぐらいの年齢で課長、部長と、役職に対して年齢の話が出たり、中途採用者に対し、うちの会社でこの年齢だとこのグレードが適切だとオファーが決まるのはこの典型です。


日本の新卒採用においては、何をするかは入社してからでないと分からない、という状況で入社することが大半です。

エンジニア職を除けば、大学で学んだ専門と全く関係のない仕事に配属されることは普通ですが、これは日本特有の事象です。

また、中途採用においても、こうしたことを期待している、という話は面接等であったとしても、実際に書面で職務記述書(Job Description)レベルで取り交わすことはありません。営業職やエンジニア職といった、大枠の配属ポジションの明記のみが一般的です。

仕事内容や勤務地に関する明確な規定がないため、状況により会社が社員に対して、部署の異動や転勤、残業を命じることができます。

そのため、労働者は自分で職務を選ぶことができず、専門性を磨きにくくなります。会社の意思で職務が決まるため、人によっては複数職務を浅く広く経験することとなります。

一方、職務ではなく人で採用をしているため、仮に仕事が無くなったり、配属した仕事で成果が出なくても、会社は他の仕事をあてがう必要があり、仕事が無くなったことを理由に解雇が出来ません。

ジョブ型雇用のメリット・デメリット

■メリット

・雇用のミスマッチを防げる

 職務記述書により、職務や勤務地、勤務時間、報酬などを明確に定めます。お互いが入社後の職務に合意した上で採用できるので、雇用のミスマッチを防ぐことができます。


・求める人材を効率良く確保できる

 ある仕事に必要な専門性を持った人材を、必要なタイミングで募集することができるので、即戦力を採用でき教育コストやキャッチアップの時間が必要ありません。


・成果で評価をしやすくなる

 職務記述書に記載されている職務を遂行できたかどうかによって評価が決まるため、曖昧な評価ではなく、成果で評価をしやすくなり客観的な判断ができます。

■デメリット

・会社側の都合で転勤や異動、契約にない仕事を依頼するのは難しい

 職務記述書に記載されている契約によって職務内容が明確に規定されているため、会社都合の転勤や異動ができず、契約にない仕事は社員が断わることができます。


・優秀な人材の引き抜き、離職が増える

勤続年数に関わらず、能力があれば他の会社でより良いポジションで転職が可能になるため、優秀な人材であるほど引き抜かれる可能性が高くなります。

メンバーシップ型雇用のメリット・デメリット

■メリット

・状況に合わせて仕事内容の変更や、柔軟な人事異動・配置ができる

 採用の際に職務や条件などを限定していないため、会社の都合で社員の仕事内容や人事異動・配置変更をすることが可能です。特に、仕事内容については、多岐にわたって依頼することができます。


・長期的な人材育成が可能

 長く勤めていることのメリットを感じやすい環境を整えることで、人材が定着しやすく、長期的な視野で育成ができます。

■デメリット

・専門職の人材が不足しやすい

現状の社員を基本に仕事を進めなければならず、自社で保有していない専門分野の人材が不足しやすくなります。


・教育コストがかかる

社員に育成する環境を整える必要があり、経験がない仕事をやらせる際に、社員を教育する時間、金銭的コストが大きくなります。また、結果的にプロフェッショナルが集まった場合よりも事業のスピードが遅くなり、変化が激しくグローバルで競争しなければならない現在ではマイナスになります。


・成果を出さない社員にも高い給与を払う必要がある

 能力がなく、会社への貢献が見込めない社員であっても、年齢や勤続年数によって見合わない給与を払う必要があります。

日本におけるジョブ型雇用導入の影響|欧米と同じようには運用できない

■日本には解雇規制があり社員を解雇できない

ジョブ型雇用の場合、業績の悪化や、サービスや事業の停止といった会社の都合により、担当するジョブ(職務)が無くなった際に「社員を解雇」することができます。

仕事の内容・範囲と勤務地が限定され、その条件に合意して契約を結んでいるため、従業員に新しい仕事を用意する義務はありません。

、職務に合わせて人を採用しているため、職務がない人材に給与を払い続け組織運営していくことは不可能です。

日本においては、解雇の4要件という厳格な解雇規制があり、整理解雇のハードルは極めて高く実質的に正社員は終身雇用です。

赤字で企業の存続が危ぶまれる状態の企業でさえ、割増退職金を支払う希望退職を募った後でなければ、整理解雇を行うことができない程厳しいものです。

日本におけるジョブ型雇用の運用においては、職能給により保護されていた名ばかり管理職やぶら下がり社員の報酬引き下げ、高度人材への高給提示による採用競争力の向上、目標管理・評価制度としてのジョブ型の利用、といった部分に留まると予想されます。

■失業率の上昇が予見できる解雇規制の改革は政治的ハードルが高い

仮にジョブ型雇用に限って解雇規制が緩和された場合、専門性を持たず、ポテンシャルもない中高年社員の大量解雇が予想されます。

これまで解雇されることは頭に無く、市場価値を意識せず仕事をしてきたこれらの人材の行き先はなく、失業率の大幅な上昇が予想されます。

また、何のスキルも持たない若者をポテンシャルで採用するケースが減る可能性があります。若年人口が極端に減少している日本にいてはあまり影響は出ないかもしれませんが、欧米のように若者の失業率が高くなる可能性があります。

ジョブ型雇用は、企業の競争力や生産性の向上に寄与する制度ではありますが、急な欧米型ジョブ型雇用へのシフトは社会不安を招く可能性が極めて高く、政治的なハードルはかなり高いと言えるでしょう。

リーダーシップの経営心理学(後編)|マネジャーの行動変容を妨げる心理的壁の乗り越え方

INSEAD(インシアード)は、フランス、シンガポールにあるビジネススクールで、そのMBAプログラムは、最新のFinancial Times「Global MBA ranking 2020」で世界第4位にランキングされている名門ビジネススクールです。


本コラムでは、INSEADにおいて企業幹部向けリーダー育成プログラムを統括したナラヤン・パント教授によるリーダーシップ研究から、全2回に分けて、マネジャーに必要なリーダーシップを紐解きます。

後編の今回は、リーダーが持つべき必須の考え方と、なぜ知識があってもマネジャーはリーダーシップを実践できないのか?マネジャー育成の心理的な壁の乗り越え方について解説します。


※前編はこちら

▶リーダーシップの経営心理学(前編)|良きリーダーになるために必要な能力

リーダーが持つべき必須の考え方

マネジャーの行動変容を妨げる心理的な壁の乗り越え方の前に、まずはその基盤となる、パント教授が指摘するリーダーが持つべき必須の考え方について解説します。


リーダーが持つべき必須の考え方

① 集合知を活用する

② マイクロマネジメントをしない

③ 決めつけない

謙虚に集合知を活用する

不確実な環境においては、専門知識やこれまでの経験は、どんどん価値が低下しています。先が見えない環境下では、謙虚に「集団の知恵」を活用することが重要です。

これは、「集合知」と呼ばれる概念で、

「集団はきわめて優れた知力を発揮し、それは往々にして集団の中でいちばん優秀な個人の知力よりも優れている。集団のメンバーの大半があまりものを知らなくても合理的でなくても、一人のプロが判断を下すより、集団の方が賢い判断を下せる」ということが、科学的研究で明らかになっています。


集合知が発揮されるためには、下記4つが必要です。

(1) 意見の多様性(各人が独自の私的情報を多少なりとも持っている)

(2) 独立性(他者の意見に左右されない)

(3) 分散性(それぞれが得意な分野、身近な分野に特化し、判断する)

(4) 集約性(個々の意見をひとつに集約する仕組みの存在)


最終的な意見は、聞いた意見が個々に独立していればいるほど改善することが分かっています。つまり、上司が部下に意見を求めた際に、部下が上司に忖度するようでは集合知は発揮されません。

リーダーの役割とは、自分ひとりの考えで判断を行使することではなく、多様な意見を出しやすい環境を整えて、最終的に集団として良い判断に繋げることです。

リーダーは最後は一人で判断しなければなりませんが、一人で考えてはいけません。

そのために、誠実で分け隔てない態度が必要になります。

自分こそが全てを分かっていると認識しているようなマネジメントは正しい判断を下せるリーダーにはなれません。

マイクロマネジメントをしない

マイクロマネジメントは、先に述べた集合知を活用するリーダーの姿勢と対極にあるリーダーの姿勢です。

マイクロマネジメントなしで組織を管理できないと思うリーダーは、自分を律することが出来ていません。怒りの感情などを制御できずに、周囲を萎縮させてしまいます。その結果として、細かく管理し、叱咤激励しないと組織が動きません。

他人をコントロールすることはそもそも不可能です。そして、メンバーを細かく管理すればするほど彼らは指示待ち型の人材になります。自分自身で決めることを恐れ、上司に決めてもらうまで待つようになります。

これは、中長期的には、組織の弱さとして跳ね返ってくることになります。

決めつけない

多くの場合、他人の行動の理由は分からないのに、我々は相手が意に介さない行動をすると、勝手に理由を決めつける傾向があります。

アンガーマネジメントなどは、表層的なやり方にすぎません。湧き上がった怒りをコントロールするのではなく、怒りそのものの発生を抑えなければ優れたリーダーになれません。

例えば、会議に出席して自分が発表している時に、誰かがスマホを見ているとします。

ここで「なんで私の話を聞かないんだ」と怒りが沸き起こるようではいけません。彼は子供が急に熱が出て連絡が来たとか、突発的なトラブルの連絡が来たのかも知れません。

何か決めつけてしまうと、そこからは怒りの感情しか生まれてきません。

また、自分に否定的な意見を言う人への怒りを持つこともあるでしょう。

それは、そのリーダーが、自分に否定的な意見を言う人への怒りを制御できないからです。自分に問題があります。

リーダーは、自分自身を律して考えを切り替える事によって、否定的な意見への寛容さを持つことが必要です。

自虐に陥るのは特別なことではない

多くのリーダーは、実は自信過剰ではなく、インポスター症候群に苦しんでいると言われています。

インポスター症候群とは、自分の成功や今の地位は、自分の実力ではなく外的な理由で、周囲は自分を過大評価している、前任者と比べて自分は全く優秀ではない、などと考えてしまう傾向のことです。

これは決して恥ずかしいことではありません。優れたリーダーですらこのインポスター症候群にしばしば陥ることが分かっています。

自虐に陥ってしまうのはあなたが特別ではありません。周りもそうなのです。

マネジャーの行動変容を妨げる心理的壁の乗り越え方

管理職・マネジメント層において、マネジメントに関する知識がない人はまずいません。実務の中での学習や、研修や読書によって、多かれ少なかれ知識は持っています。

しかし「知識はあっても実践できない」人がとても多いのが実態です。

単に知識を提供するのでなく、分かっていてもやらないマネジャーにリーダーになってもらうには、どうすればよいか。

あらゆる変革と同じで、マネジャーの教育も変化への心理的な壁にぶち当たります。



マネジャーが心理的な壁を乗り越える最も重要なポイントは、「自覚」です。

考え方や感情、自分がやってしまっている振る舞い、思考を自覚する。そうすれば、どうしてこう考えたんだろう?これは正しい反応だろうか?と思えるようになります。

そして、自覚してはじめて、行動をどう変えたいか?どんな考えが邪魔になって変われないのか?を考えることができるようになるのです。

自覚するコツとしては、「観察するだけで判断をしない」ことです。これは良いとか悪いとか、そうした判断を下してはいけません。

そうではなく、頭の中や体、感情に起こっていることに注意を払います。まずはただ観察して、そこに在るものに「気づくこと」からはじめましょう。

簡単なことのように思えて、この「自覚」を自分ひとりで行うのは案外難しいことです。自分ひとりでは難しい場合は、コーチ等の、第三者からフィードバックをもらうことが助けになります。

そして、「気づき」➝「どのように修正したいか」の次のステップが「行動変容」です。いきなり大きく変えようとしなくて問題ありません。小さなことから、徐々に変えていけば、やがて大きな変化になります。


マネジャーが自分を管理できていないと、リーダーシップを発揮することはできません。

多くの権限を委譲し、仲間たちのしていることを信じつつ、組織の利益に沿って行動してもらうように促すのがリーダーの仕事です。

マネジャーの知的訓練だけでなく、マネジャーの心理にも働きかける必要がある

多くの研修プログラムが知識を教える講義型です。これらは、戦略、リーダーシップ、ファイナンスなどの理解を深める、20世紀型の問題解決プログラムです。

しかし、知識が普及した今ではその重要性は下がってきており、すでに知っていることも増えています。新しいカタチの課題解決が必要です。

人はどんなに優れていても、あるいは今どんなにダメでも、いつだって今より優れた人間になることができます。

マネジャーの知的訓練だけでなく、今後はマネジャーの心理にも働きかけていかなければなりません。

参考:『世界最高峰の経営教室』第4章リーダーシップの経営心理学 広野彩子著

マネトレは、知識だけでなく、オンラインコーチを通じた「心理的な働きかけ」を行うことでマネジャーに行動変容を促すこれまでにないサービスです。ぜひお気軽にお問い合わせください。

ハラスメントとは

ハラスメントと主な法律

ハラスメント

ハラスメント(Harassment)とは、「嫌がらせ」という意味で、相手の意に反する行為によって不快な感情を抱かせることを指します。

ハラスメントを定義するにあたり重要なのが、「行為者がどう思っているのかは関係なく、相手が不快な感情を抱けばハラスメントになる」ということです。

※一般的と認められる指導等、第三者から見ても客観的に正当性が認められる場合は、ハラスメントには該当しません。


日本では、上意下達やパワーマネジメントに偏ったマネジメントが主流だった背景や、ハラスメントに関する教育の不足から、パワハラ上司やセクハラ上司を生みやすく、問題となるケースが多発しています。

また、日本を代表する複数の大企業で、パワハラによる社員の自殺が労災認定されるケースが相次ぎ、メディアで大々的に報道される等、社会問題となっています。

そのような社会的な背景があり、近年日本でもハラスメントに対する法整備が進められています。


<ハラスメントに関する主な法律>

・「男女雇用機会均等法」:セクハラ禁止

・「育児・介護休業法」:マタニティハラスメント禁止

・「ハラスメント対策関連法」:パワハラ・セクハラ・マタハラ・ケアハラ禁止

※ハラスメント対策関連法については、中小事業主は2022年3月31日までは努力義務


また、パワハラは、下記3つの要素で定義されています。不法行為に当たらなくとも、下記3つを全て満たしていればパワハラと認定されます。

また、3つの要素のうちどれかが欠ける(かもしれない)けれども、就業環境が害される場合も、上記で上げた法律の防止措置義務の対象となります。


パワハラを定義する3要素

①優越的な関係を背景とした

②業務上必要かつ相当な範囲を超えた

③労働者の就業環境が害される

職場におけるハラスメントの実態

日本労働組合総連合会が2019年5月に公開した『仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019』によると、職場でハラスメントを受けたことがある人は全体の38%でした。

約4割もの人がハラスメントを受けたことがあるというのは驚きです。

日本企業の多くで、マネジメントに大きな問題があることが伺えます。


<主な内容>

・上司からのハラスメントで多いのは、脅迫、名誉棄損、侮辱、ひどい暴言などの精神的な攻撃

・ハラスメントを受けた20代の3割近くが離職を選択

・職場でハラスメントを受けた女性の38%がセクハラ被害者

・ハラスメントを受けた人の54%が「仕事のやる気喪失」、22%は「心身不調」、19%が「退職・転職」と回答

・ハラスメントを受けた人の44%が「誰にも相談しなかった」、その理由の多くは「相談しても無駄だと思ったから」

※社内のハラスメントの相談窓口から内容が上司に筒抜けだった、逆に相談者が非難された、上司ではなく相談者が意図しない異動で飛ばされた等の声も多く上がっています。


ハラスメント上司を放置することは、会社として大きなレピュテーションリスクとなるだけでなく、人材の流出、パフォーマンスの低下という具体的なデメリットを発生させます。放置しておいて良い問題ではありません。


参考:『仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019』 https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20190528.pdf?43

ハラスメントの種類

職場でおこる主なハラスメントをご説明します。

予防したり、社員より相談があった場合には、実際にハラスメントであるか否かにかかわらず、早期に対処することが事業主の義務とされています。

■ セクシャルハラスメント(セクハラ)

セクハラとは、性的嫌がらせのことです。

不必要に性別・年齢・プライベート・容姿に関する発言をしたり、身体に触れたりする行為を指します。一般的に男性から女性に対してのイメージが強いかもしれません。しかし女性から男性、同性同士でも行われる場合もあります。

セクハラには大きく分けて「対価型セクハラ」「環境型セクハラ」の2つに分けられます。

「対価型セクハラ」は、「俺と付き合えば/性的な要求を受け入れれば良い評価をする」などと性的な言動を強要するものです。

もう1つ「環境型セクハラ」は、ヌード写真をデスクトップに設定したり、お酌を女性に強要したり、明確な不利益を伴わなくても職場環境を悪化させるものを指します。

■ パワー・ハラスメント(パワハラ)

パワハラとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や役職などの優位性を背景に適正な業務の範囲を超えて精神的、身体的苦痛を与えることです。

上司から部下、先輩から後輩に対して行われることが多いですが、人間関係上優位性を持った部下から上司に行われるケースもあります。

また、パワハラは「身体的な攻撃」「身体的な攻撃」「人間関係からの切り離し」「過大な要求」「過小な要求」「個の侵害」の6つの種類に分けられています。

叩く、殴る、蹴るなどの身体的な攻撃から、一人だけ別室に席を移される、通常業務でない草むしりばかりやらされる、同僚の目の前で執拗に叱責されるなどの行為があります。

たった1度の行為でもパワハラになる可能性もありますが、1度では問題にならなくても継続的に攻撃を行った場合や長時間にわたって攻撃を行った場合でもパワハラになる可能性があります。

■ ケア・ハラスメント(ケアハラ)

ケアハラとは、職場における育児・介護休業等 の制度利用に関する言動により、精神的苦痛を与えることです。

働きながら家族の介護を行う労働者に対して制度利用を妨害したり嫌がらせをしたりするハラスメント行為を指します。

家族の介護が理由で残業ができなかったり、休まなければならなかったりする従業員に対して、人事評価を下げる、介護休暇の取得を妨害する、尊厳を傷つける等の行為がケアハラにあたります。

■ マタニティ・ハラスメント(マタハラ)

マタハラとは、職場における妊娠、出産等に関 する言動により、精神的・肉体的苦痛を与えることです。不妊治療に対する否定的な言動も含むとされます。

例えば、妊娠中や産休明けなどに心ない言葉を言われた。妊娠・出産がきっかけで解雇や契約打ち切りをされた。自主退職への誘導をされ。妊娠中や産休明けなどに嫌がらせをされた等が、マタハラにあたります。

■ モラル・ハラスメント(モラハラ)

モラハラとは、肉体的ではなく、人として守るべきモラル(道徳)に反した言葉や態度によって巧妙に人の心を傷つける精神的な暴力で、「大人のいじめ」とも言われています。

例えば、陰口を言われる、小さなミスにたいしても過剰に強い口調で叱責されるなどの場合はモラハラの可能性があります。モラハラは物的証拠が残りにくく、また加害者が正しいふるまいのように見せかけようとする傾向にあるため、周囲の人に気づかれにくい一面があります。

また、モラハラは部下・同僚・上司など立場を問わず行われることも特徴です。

権力の大きさは関係なく、女性から男性へ、同僚同士の間でモラハラが起きるなど、性別や立場を問わず発生する可能性もあります。

■ テレワーク・ハラスメント(テレハラ)、リモートワークハラスメント(リモハラ)

テレハラやリモハラとは、テレワークやリモートワークをしている従業員に対して、web会議などオンライン上でのやりとりで生じる嫌がらせのことです。

テキストコミュニケーションが増えたり、画面越しにプライベート空間が見えたりすることがきっかけで起こるハラスメントですが、オンライン上で起こるため、周囲が気付きにくい傾向があります。対面であれば圧迫感を感じることのない指示でも、テキストだと威圧的に感じることもあるため、指示をした本人がハラスメントを行っていることを自覚していないケースも少なくありません。

リーダーシップの経営心理学(前編)|INSEADナラヤン・パント教授

INSEAD(インシアード)は、フランス、シンガポールにあるビジネススクールで、そのMBAプログラムは、最新のFinancial Times「Global MBA ranking 2020」で世界第4位にランキングされている名門ビジネススクールです。

今回は、INSEADにおいて企業幹部向けリーダー育成プログラムを統括したナラヤン・パント教授によるリーダーシップ研究から、全2回に分けて、マネジメントに必要なリーダーシップを紐解きます。


▶ リーダーシップとは?|マネジャーに必要なスキルとしてのリーダーシップ

良きリーダーになるために必要な能力

ナラヤン・パント教授は、良きリーダーに必要な能力として3つ挙げています。

具体的には、下記3つが理論の核となっています。


1.自己管理能力

2.チームの人々をまとめる能力

3.組織をうまく回す能力


また、パント教授は、上記に加えて、優れたリーダーの共通点は学び続ける姿勢であり、学ぶのをやめた瞬間にその人はリーダーではなくなるとも述べています。


人は今、どんなに優れていても、あるいは今どんなにダメでも、いつだって今より優れた人間になることはできます。数多くのリーダーに会ってきた経験からすると、優れたリーダーの共通点として、常に学ぼうという姿勢を持っていたことが挙げられます。逆に学ぶことをやめた途端、もう良いリーダーではなくなります。リーダーの生来の正確がどうであれ、訓練で克服することができます。その意味で、素質は大した問題ではありません。そんなことより、その人の能力がどれほど高かろうと、包容力があろうと、常に新しいことを学ぼうとしているかの方がリーダーとしてはるかに重要です。

引用:『世界最高峰の経営教室』広野彩子著

1.自己管理能力

結果を出すリーダーになるには、まず自分と向き合って自分の考えや感情を知り、そこから表出してくる行動をうまくコントロールする必要があります。

部下を怒鳴り散らすリーダーがいたとしたら、その人はコントロールが出来ていません。怒りを顔に出さずとも本当は起こっている場合もあります。

しかし、それもコントロール不能状態です。

感情にあらわにするか否かだけが問題ではありません。極端な考え方や感情、行動を抑える能力が必要です。

2.チームの人々をまとめる能力

限られた時間で最大の成果を出すには、チームをまとめることが欠かせません。チームをまとめるためにリーダーがすべきことは複雑ではありません。

世の中には「チームのベストの結果を出すためには、チームメンバーの話をよく聞き、理解し、心配事について心配せよ」と指南している本が数多くあります。それほど当たり前のことです。

しかし、実践できているマネジメントは多くありません。


あなたが会議に出席しているとしましょう。 部下が議論しているのと少し違うアイデアを話したりする。あなたは「なんでこんなトンチンカンなアイデアを言い出すんだ」「今言ったらダメだろう」などと、心の中で思ってしまう。

それこそがリーダーとして自分自身を管理できていない証拠です。不規則な発言にただ刺激され、考えることなしに怒っているだけです。

あなたは、もしかしたら、発言した部下が実は何か深刻に悩んでいて、助けを求めるために発言している可能性を考えていません。

また、その部下の迷いには、チームをまとめるうえで重要なヒントが隠されていることも多いはずなのです。

3.組織をうまく回す能力

自分とチームのコントロールが前提になります。

組織を動かす上でリーダーに重要なのは、実はしっかり周囲に頼る力です。

どんな立派な戦略が出来ても、リーダー一人で実現することはできず、他の人達に働いてもらわなければなりません。

明確な指示を与えることが出来ても、リーダーがチームを信頼し、チームが働ける環境を整えなければ組織は動きません。

リーダーは自分を管理しなければなりません。弱いリーダーはまず他人をコントロールしようとし、部下がしていることを全部報告させます。

しかし、そんなことは不可能です。

多くの権限を委譲し、仲間たちのしていることを信じつつ、組織の利益に沿って行動してもらうように促すのがリーダーの仕事です。

知識があることと、実践することは異なる

いかがでしたでしょうか?今回は、パント教授によるマネジメントに必要なリーダーシップについて解説しました。

とても基本的なこと、大半の人にとって似たようなことをどこかで聞いたことがあると思います。

しかし、実践できているマネジメントはごく少数です。

実行するのに特殊な能力が必要だったり、習得が難しく誰しもが実践できないといったことではありません。ぜひ明日から実践してみてください。


次回は、パント教授の後編として、なぜ知識があっても、マネジメントはリーダーシップを実践できないのか。マネジャー育成の心理的な壁の乗り越え方について解説します。


参考:『世界最高峰の経営教室』第4章リーダーシップの経営心理学 広野彩子著

ノーレイティングとは

ノーレイティング

レイティング(rating)とは評価という言葉です。

ノーレイティングとは、評価を行わないことではなく、従来の人事評価制度とは異なり、年次評価で社員のランク付け行わないという、比較的新しい人事評価手法です。

リアルタイムの目標設定とフィードバックを実施する中で、その都度評価を行います。


ギャップ、マイクロソフト、GE、アドビシステムズ、アクセンチュア、IBMといったグローバルカンパニーが「ノーレイティング」を導入しています。


これまで、企業の評価制度の多くは、毎年年度末に1年間の働きを評価し、A、B、Cなどのランク付けを行い、それに伴って給与や賞与、役職などが決まる形式になっています。

社員の目標達成率や成績をもとに、相対評価をしてランク付けをする制度の為、成績や評価項目と照らし合わせ「平均以下、平均以上かどうか」という尺度で判断すればいいので、評価する側が一定の評価を割り振りやすくなっていました。


これに対し、ノーレイティングでは、年度単位での評価はせず、ランクも付けません。リアルタイムで目標設定を行い、その目標に対して上司と対話します。上司からフィードバックをもらうことにより、その都度評価が下される仕組みです。

ノーレイティングが生まれた背景|レイティングによる悪影響

・評価基準が不透明で、大多数の従業員のモチベーションが上がりにくい

従来のレイティングでは、「どのランクに何人の従業員」「それぞれのランクに何人の従業員」といった前提で評価をします。仮に5段階のレイティングを行った場合、そうした大多数の従業員の評価は「B評価」や「C評価」といった中間的なものに集中します。中間的な評価では、企業から自分への期待などを実感するのが難しいため、なかなかモチベーションは上がりません。


・従業員の成長が阻害される可能性がある

常に上司や周囲からの評価を気にしたり、失敗してランクが下がることを恐れて、挑戦することができなくなります。評価の為に無理をするより無難に過ごした方がいいと思う従業員が増えてしまう可能性があります。


・評価のタイミングが遅くなる

レイティングは通常、期末や年度末といったタイミングで、過去の出来事を振り返りながら行われます。そのため、評価結果は「今の自分」への評価ではなく「過去の自分」への評価となります。年1回の評価など過去を評価されることで、「現在の自分」を見てもらえず、現実との間に乖離が生じ納得できない可能性があります。

ノーレイティングのメリット・デメリット

<メリット>

・目標設定や評価への納得感が高まる

従来のレイティングでは、半期・年度単位で個人目標を設定し、期末・年度末に評価を受けていたため、評価のタイミングで「過去に立てた目標が現在の状況に即していない」「なんで今になって過去のことに対して指摘するの?」といったズレが生じ、不満を生んでいました。

ノーレイティングでは、上司と部下の1on1での対話の中でリアルタイムに目標設定をし、評価を受けることができます。それにより「今の自分の状況に合った目標を上司と相談しながら設定できる」「今の行動や頑張りが評価され、タイムリーに指摘をもらえて軌道修正ができる」と従業員が感じ、目標設定や評価への納得感が高まります。


・従業員のモチベーションが向上する

従業員が成長していくためには、高いモチベーションを持ちながら仕事に臨むことが重要です。ノーレイティングの場合、リアルタイムに目標設定と評価を行うことで従業員の納得感が高まり、「もっと能力を高めたい」「もっと貢献したい」という気持ちが生まれ、モチベーションの向上が期待できます。従業員のモチベーションが向上することにより、生産性の向上も期待できます。


・働き方の多様化に対応しやすい

近年、裁量労働制や短時間勤務、在宅勤務など、従業員の働き方が多様化する中で、一人一人に合った評価がしやすいという点が挙げられます。ノーレイティングでは上司と部下との定期的に行われる1on1の中で、個人の状況に合わせた目標設定と評価ができるため、在宅ワークや時短勤務といった多様な社員を適切に評価することができます。従来のレイティングの場合は、働き方が異なる社員を同一の尺度で評価しなければならず、多様な働き方の社員を認め評価するには評価基準が合っていませんでした。


<デメリット>

・管理職の負担増加

ノーレイティングのデメリットは、管理職の負担が増えることです。

その理由は、評価をする立場にある上司は部下との密接なコミュニケーションを何度も繰り返しながら、状況に応じた目標設定やフィードバック、アドバイスを求められるからです。時間や手間はもちろんのこと、柔軟に対応できる高い目標設定と評価のスキルが管理職には求められます。


・管理職に高いマネジメント能力が求められる

従来のレイティングであれば、統一された評価項目・基準に応じて相対的なランク付けを行うため、上司が部下を評価することは比較的容易でした。

しかしノーレイティングでは評価プロセスの全判断が上司に委ねられており、ノーレイティングが成功するかどうかは、上司のマネジメント力にかかっています。

評価する側のマネジメント能力を高めるために、研修などを実施する必要性も出てきます。


・賞与のコントロールが難しい

従来の相対評価によるレイティングの場合、合計額を相対評価に対し割当て行くだけなので、賞与全体のコントロールは比較的簡単でした。

一方で、ノーレイティングの場合、各組織の管理職によって相対比較でなく個別に評価がなされるため、賞与全体額のコントロールが難しくなります。

【リリース】研修のDXを実現するマネジメント変革クラウド「マネトレ」  新プランを提供開始!/月額2,480円~

研修のDXを実現するマネジメント変革クラウド「マネトレ」は、新プラン【月額2,480円~】の提供を開始します。

▶リリース詳細

https://www.atpress.ne.jp/news/240285

■新プランの主な特徴

マネジメント変革クラウド“マネトレ”は、データ分析により、一人ひとりの課題に合わせた「マネジメントナレッジ」と「コーチ」を提供するこれまでにないマネジメント育成サービスです。

ライトプランでは、サーベイやマネジメントナレッジのレコメンドといったシステムと、コーチが利用できます。

スタンダードプランでは、ライトプランの内容に加えて、組織のデータやコーチとのやり取り内容のレポート、詳細な分析結果やアドバイスを人事や経営が受け取ることができ、マネジメント育成だけでなく、組織の改善に役立てることができます。

<提供料金>

初期導入費用   :無料キャンペーン中

ライトプラン   :月額2,480円

スタンダードプラン:月額3,980円

■マネトレ新プランの背景

新型コロナウイルス感染拡大により、あらゆる業務でDXが急速に進んでいますが、マネジメント変革クラウド「マネトレ」は、企業研修におけるDX化を進めるサービスです。

オンラインでのマネジメント育成サービスであることから、新型コロナウイルスの影響で、従来の集合研修に変わる手法として、中小企業から大手企業までお問合せが増えております。

このような社会的な情勢の中、オンライン対応に迫られる小規模な企業でもサービスが利用しやすい価格を実現し、より多くのマネジャーの方に使っていただけるよう、新プランの提供と料金の改定を行いました。

マイクロラーニングとは

マイクロラーニングとは、1~5分程度の短時間で学習を行うスタイルです。

スマートフォンなどのモバイル機器で、好きな時に好きな場所で学習できる為、すき間時間を有効活用することができます。

最近では、新型コロナウィルスの影響で集合研修を行うことが困難となり、オンラインでの学習機会を模索する企業が増え、よりマイクロラーニングの効果が期待されています。

マイクロラーニングとは

マイクロラーニング

1回5分程の動画や、細分化されたWebコンテンツなどの教材を使って学ぶ方法です。

スマートフォンなどのモバイル機器で、好きな時に好きな場所で学習でき、短時間で1回のレッスンが完結するので、仕事の合間や移動中などのすき間時間を利用して気軽に学習することが可能です。

また、学習やクイズ形式の勉強など、その形態は多種多様です。

マイクロラーニングが登場した背景

eラーニングにおける学習頻度・効果の低下

従来のeラーニングの学習スタイルは、長時間の学習コンテンツを、オフィスのパソコンを使って視聴する形式が一般的でした。(最近はスマートフォン等のモバイル機器でも視聴が可能となりました)

しかしこのような学習スタイルには、まとまった時間の確保が必要な上、長時間学習が非効率で学習定着率が低いという問題がありました。


・eラーニング:

 学習時間:1回60分程度

 特徴:会社が指定したコンテンツ、またはコンテンツの中から選択し受講


・マイクロラーニング:

 学習時間:1コンテンツ5分程度

 特徴:自分が学びたい内容を、好きな時間・場所で短時間に学べる


コンテンツ配信方法の多様化

情報技術の発達に伴い、従来eラーニングで使われていた、インターネット上にあるサーバー「学習管理システム(通称:LMS / Learning Management Systemの略)」を使うだけでなく、社内SNS、スマートフォン等のモバイル機器など、様々な経路・デバイスからコンテンツを視聴できるようになりました。

これにより、学習者がすきま時間にコンテンツを受け取れるようになり、企業としてマイクロラーニングが実施できる学習環境が整ってきました。

マイクロラーニングのメリット

・すき間時間を活用できる

1回のプログラムが短いため、通勤の間やちょっとした待ち時間等、日常のすき間時間で学習が可能です。長時間腰を据えて取り組まなくてよいので、忙しくてまとまった時間が取れない人にも日常生活に取り入れやすい学習方法です。


・講師の質に左右されず、良質なコンテンツを利用できる

対面型学習では、講師の質によりコンテンツの質が左右されてしまいます。

用意された質の高いコンテンツを、講師の当たり外れなく誰もが同じ内容で学ぶことができます。


・必要なときに、必要な部分を学習できる

それぞれの持っている知識や学びたい内容に応じて、適切なコンテンツを適切なタイミングで選択し、学習することができます。


・学習効果が高い

人間の脳は、1度に長い時間をかけて学習するより、短時間での復習を繰り返した方が、より学習効果が高いと言われています。


・習慣化しやすい

基本的に常に持ち歩いているモバイル端末を活用するため、「スマホで10分」など習慣化のハードルが低く、学習の継続が期待できます。

中間管理職を変革するにはどうしたら良いのか?|マイケル・ウェイド著『DX実行戦略』に学ぶ組織論

先日発表された2020年版のIMD(スイスにあるビジネススクール)の世界競争力ランキングで、日本は過去最低の34位となりました。

IMD「世界競争力年鑑」は、代表的な国際的ランキングで、63カ国・地域を対象に、国の競争力に関連する統計やアンケート調査などを幅広く収集し、これらを元に競争力総合指標を作成しています。

日本の総合順位の変遷を見ると、1989年からバブル後の1992年まで1位を維持し、1996年までは5位以内の高い順位でした。

しかし、山一證券の破綻を始めとした金融危機が勃発した1997年に17位に急落。その後は基本的には20位台の中盤前後で推移し、2019年には30位となり、最新版の2020年では過去最低の34位まで落ち込んでいます。

今回は、DX分野の第一人者と呼ばれ、IMDで今最も多忙と言われるマイケル・ウェイド教授の著書『DX実行戦略〜デジタルで稼ぐ組織をつくる』から、日本企業が抱える課題と「中間管理職」について紐解きます。

出典:IMD「世界競争力年鑑2020」より三菱総合研究所作成

変化に対する順応性、そのスピードが最下位の日本企業

日本は世界競争力ランキングの全体順位は34位でしたが、「起業家精神:マネジャーの起業家精神がビジネスに広がっている」、「企業の俊敏性:企業は俊敏である」という項目が最下位と、日本はアフリカ諸国や南米の国々より下という結果でした。

日本は、ロボティクスや通信技術、AI(人工知能)といったデジタル技術では、世界で上位の競争力を持っていますが、一方で、変化に対する順応性、組織文化の変えやすさや、そのスピードに問題がある状況が浮かび上がります。

変化が必要なことに危機感を持てない中間管理職

実際、社長やリーダー層が、変わらなければならないと分かっていても、2〜3階層下の中間管理職層は、危機感を持てていません。

日本の中間管理職には、先に上げた「起業家精神」や「俊敏性」だけでなく、外国人や女性の比率は国際比較で極端に少なく「多様性」が欠けています。同調査では「多様性」についても日本は最下位です。

多様性という点では、人種や性別だけでなく、そもそも企業外で育った人材が社内で少なく、同じ組織で育った人間が大半であるという状況があります。

総務省統計局のデータでは、男性の2割が50歳まで転職経験が0、転職回数が2回までで75%を占めます。それに対し、米国では平均転職回数が10回です。

企業は、早期退職の募集やシニア層の人員を減らしたいと考えていながら、転職回数が3回を超えてくる人材には、長く働いてくれない可能性があると、能力関係なく応募の際に足切りする慣習が未だに多くの大企業で残っています。

終身雇用文化が長らく続いたため転職が当たり前でなく、人材の流動性が国際比較で著しく低い日本では、新しい人や考えを取り入れる機会が少ないため、変革を起こすのがそもそも難しい風土があるのです。

その結果、企業に対する忠誠心は高くハードワーカーではあるが、新しいことに興味を持たず、俊敏に動く必要を感じない中間管理職が、企業の変革を止めてしまう構造となっています。

いかにして中間管理職に変化を促すのか?

トップが中間管理職に対してよく漏らす不満は、中間管理職は動きが遅い、何も新しいことに動かないということです。

しかし、それはそのような組織に責任があります。そう行動するほうが良い仕組みがあることが問題なのです。

では、いかにして中間管理職に変化を促せばよいのでしょうか?

既存のシステムの中で忠実に働いている中間管理職を責めても、問題は解決しません。

そして、組織で長く働いている中間管理職は、皆社内でのゲームの仕方は心得ており、システムに合うように動いています。


中間管理職は、決まったルールに合わせて動くことが得意です。

そのため、既存のシステムをトップが実現したい目的に相応しいものに変えてしまい、中間管理職に「変えた方がよい」と思わせるインセンティブを与える。ゲームのルールを変えることが必要です。

具体的には、組織構造や人事制度、評価制度、文化、従業員や顧客との関わり等の複数の要素がこれに該当します。年功序列型賃金やヒエラルキー型組織は、変化を拒む最たるシステムです。

ルールを変えずに、変化を声高に叫んでも実現は難しいのです。中間管理職が自発的に変化していくことはまず期待できません。

新規事業部門を創設したものの人材が流出してしまった事例

ある大手企業では、社内から新しいビジネスが生まれない現状に危機感を抱き、イノベーションを促進しようと新規事業部門を立ち上げました。社内で優秀な管理職やメンバーが手を上げ、会社のエースが集まりした。

しかし、その組織は大した成果も上げられないまま、時間が経つにつれ、人材がどんどん社外に流出してしまいました。

どうしてそのようなことになってしまったのでしょうか?

その企業では、新規事業部門も、人事制度や評価制度を既存の事業と同じまま運用しました。

その結果、しばらくすると既存事業の管理職が、新規事業の管理職よりどんどん早く出世するという現象が頻発しました。

また、チャレンジをした新規事業の優秀な人材は賞与も低く、既存事業に留まった方がはるかに良い金銭的リターンを得ることができたという状況でした。

そのようなことが不満となり、優秀な人材が社外に流失してしまったのです。

これは、実現したい目的に合わせたシステムやルールを作ることなく、社員にチャレンジを求めたため、インセンティブが設計されていないことで起こっています。

また、新規事業にチャレンジしている管理職を見て、他の既存組織の管理職にも変化が起こるというようなことも一切ありませんでした。

ルールを変えていないのに、ただ変化を声高に叫んでも、組織において変化を実現することは不可能です。

システムやルールをどのように変化させるかを考えることが重要

変化が起こらない組織においては、ほとんどの場合、中間管理職は変化するインセンティブを持っていません。システムやルールの最適解として、何もしないことが動機づけられています。

そのため、経営・人事レベルから、自らを変えることが、組織においてプラスとなるインセンティブを作り出すことが必要になります。

中間管理職に変化を促すには、直接的に管理職にアプローチして変化を促すのではなく、今の会社のシステム、ルールはどういったものが存在しているのかを把握し、目的を実現するにはどういったシステムを作らねばならないのか? そのための制度や仕組みはどうしていくべきか?を考え、変えていくことが必要です。

ピアボーナスとは

ピアボーナスは、従業員同士が賞賛や承認とともに少額の報酬を互いに送り合う仕組みです。

今までの給与制度にはなかった新しい仕組みで、業績に直結しないような日々の行動も評価されるため、従業員のモチベーションの向上などにも繋がり、近年注目を集めています。

ピアボーナスとは

ピアボーナスとは

ピアボーナスは、仲間や同僚を意味するPeer(ピア)と、報酬を意味するBonus(ボーナス)を組み合わせてできた言葉で、従業員同士が日常の行動や貢献に対して報酬を与え合う仕組みのことです。


報酬の種類はさまざまで、金銭に限らず、ポイント、社内通貨などがあり、「第3の給与」とも呼ばれます。

協力してもらったときの感謝の気持ちや、成果に対しての賞賛などを、報酬として従業員が自分の意思で付与できるものです。業績や数値に反映されないものにも適用でき、管理職や人事では認識しにくい現場の細かい貢献を評価できるのが特長です。

米Google社が従業員の評価指標として導入していることで話題を集め、国内でもスタートアップ企業を中心に導入企業が増えています。

ピアボーナス導入の効果

<メリット>

・業績に直結しない良い行動の称賛と可視化

従来の評価制度では、金額や達成率などの定量的な成果や、上司が実際に目で見た仕事ぶりのみで評価が下されることが多く、数字で表すことができない成果や、直接的に業績には直結しない良い取り組みなどは評価が難しい傾向がありました。

ピアボーナスを導入することで、仕事を円滑に進めるための取り組みや、顧客のための行動というような、普段なかなか評価しにくい定性的な成果も、従業員同士で評価されやすくなり、誰がどういった貢献をしているか可視化されます。


・モチベーション向上

金銭やポイントという金銭的な報酬と、賞賛や承認という非金銭的な報酬を同時に与えることができます。

金銭による報酬という外発的動機付けは、即効性がありますが、維持されず一時的な効果であることが分かっています。

職場の仲間や同僚から自分の仕事ぶりを評価される、賞賛や感謝が可視化されることは内発的動機づけになり、社員の仕事に対する自信や、やりがいを高めます。

外発的動機付けと内発的動機付けが同時に実現されることで相乗効果が生まれ、持続的なモチベーション向上につながります。


・社内のコミュニケーション活性化

感謝や賞賛を気軽に相手に伝えるようになると、自身の所属する部署だけでなく、今まであまり交流がなかった他部署とのコミュニケーションが図りやすくなります。

ピアボーナスを通してお互いの部署が果たす役割や仕事内容に関心が高まることで、社内コミュニケーションの活性化が期待できます。

また、従業員同士がお互いを褒め合い、尊重する文化が生まれることは、組織風土の改善にも繋がります。


・従業員エンゲージメントの向上

ピアボーナスを通じて、評価の権限の一部を従業員に任せることは、経営層への信頼や仕事に対する意欲向上に繋がります。

また、職場の仲間や同僚から自分の仕事ぶりを評価され、賞賛や感謝が可視化されることで、仕事に対するやりがいが高まり、結果、従業員エンゲージメントの向上に繋がることが期待できます。

日々のやりとりの小さなことでも「ちゃんと評価されている」と貢献を認識できることで、他者に対する興味・関心もわいてきます。上長からの評価だけでは決して得ることのできない効能です。

<デメリット>

・導入コストがかかる

ピアボーナスを導入するにあたり、専用のサービスを利用すれば当然のことながら初期費用やランニングコスト、そして運用体制の構築と人的コストなど様々な費用のコストが発生します。また、ピアボーナスの報酬を現金として支給する場合、報酬のための原資を確保する必要があります。


・運用工数がかかる

ピアボーナスは、サービスを導入して現場に任せるだけはうまく回りません。適切に運用するためには、導入理由や背景、運用方法などを適切に設計し、管理する必要があります。そのため、人事組織や担当部署で運用を根付かせるための工数が発生します。


・従業員が評価を意識し過ぎる

ピアボーナスは報酬に反映されることから、「社内で評価される事」に意識が向いてしまう従業員が出てくるリスクもあります。

例えば、本来やるべき業務がおろそかになり、評価されやすい業務ばかりを進めるなどの行動が目立つケースもでてきます。従業員同士の評価制度とは言え、過剰な評価を生まないよう、運用ルールにおける管理が必要です。

管理職研修は「集合(集団)研修」が最適なのか?|withコロナ時代の学び方改革

育成施策といえば研修、研修といえば集合(集団)研修という固定観念はありませんか?


多くの企業で、新入社員研修を「研修+OJT」という枠組みで行っているため、第一に集合(集団)研修が想起されるのではないかと思います。

ただ、研修は、対象や目的により、必ずしも集合(集団)研修が最適とは限りません。


身近な事例から目的に合う研修の選び方について考えていきます。

集団と個別の違いとは?|身近な例から学び方を考える

「学ぶ」という行為では、学習塾や自動車免許が馴染み深いのではないでしょうか。

学習塾は「集団」と「個別」がどちらも存在し、利用者が選んでいます。

自動車免許は、学ぶ内容により「集団」と「個別」を使い分けています。

まずは、これら2つの学ぶ場面から、集団と個別の違いを整理します。

<学習塾>

■ 目的 : 受験やテストで良い成績を取るために、知識として覚えさせる


■ 学び方による違い

・ 集団指導 → 周囲の刺激(競い合う)、比較的安価

・ 個別指導 → 個人の課題に合わせてカスタマイズ、質問しやすい


<自動車免許>

■ 目的 : 交通ルール(知識)を覚えさせ、実際に運転してスキルを習得


■ 学び方による違い

・ 集団(座学) → 交通ルールを全員一律に知識として覚えさせる

・ 個別(実車) → それぞれの課題に合わせて運転スキルを習得させる



2つの事例からまとめると、集団と個別の学び方の違いは以下のようになります。


以上を踏まえて、ここから企業研修について考えていきます。

新人研修には「集団研修」がマッチする

新入社員の育成は、「研修+OJT」で行う会社が多く、研修は「全員一律に一定水準以上の知識習得」を目的としている場合が多いです。それ以降は、良くも悪くも現場でのOJTに任せる格好です。

それを踏まえて、新人研修の特徴を洗い出すと以下のようになります。


学ぶ内容 : 基礎的なビジネススキルの習得(全員一律に一定水準以上を目指す)

特徴 : 配属への影響もあり、周囲の刺激がモチベーションにつながる

特徴 : 同期のつながりを作る意図や、互いのフォローアップを期待する側面もある

価格 : 個別に実施するほど研修コストをかけられない


このように考えると、新人研修は「集団研修」の方が適していることがわかります。



では、管理職研修はどうでしょうか?

管理職研修は、目的により「個別研修」が良い場合がある

管理職研修は、目的や学ぶ内容により、適する学び方が変わります。


<管理職研修の目的>

① マネジメント知識の習得(労務管理、コンプライアンス、制度など)

② マネジメントスキルの向上(現場課題の解決)

③ 学べる環境の提供(福利厚生的な側面)

④ マネジャー同士の親交(組織間の壁を壊すレクリエーション的な側面)


大手企業では、③学べる環境提供としてe-learningやMBA補助などを行っていたり、④マネジャー同士の親交目的でレクリエーション的に実施する例もあるようですが、主な目的は、①マネジメント知識の習得、②マネジメントスキルの向上の2つです。


それぞれ、集団と個別、どちらの学び方がマッチするでしょうか?


① マネジメント知識の習得は「集団研修」

労務管理やコンプライアンス、制度/ルールなどは、マネジャーに昇格したタイミングで、全員一律最低限の知識として身につけてもらいたいものです。

このように、最低限のマネジメント知識や社内ルールなど、全員が知っておくべきことは集団研修で低コストで伝えていくのが適切です。


注意点としては、労務管理やコンプライアンスの問題が発生した時、それは知識(知らなかった)が問題なのかどうかということです。

多くの場合、知識不足ではなく、知ってるが行動できないというスキルの問題です。

集団研修は、知識の習得には適しますが、スキルとして身に着けることができるかは、研修後の個人任せになってしまいます。

スキルの問題の場合は、個別に経験に即して学ぶ方が適するため、「問題は知識不足なのか?」と考えてみてください。


② マネジメントスキルの向上は「個別研修」

マネジャーは経験豊富な方が昇格することが多いため、知識不足が問題になることは少なく、実際のマネジメントで知識を活かせていない(行動に移せていない)というスキルの問題であることが多いです。

知識を学ぶ研修を提供しても「そんなの知ってる」となるだけで、解決しません。

スキルを磨くには、個別に、実際の課題解決のために学び、実行し、効果を実体験することが一番です。



では、なぜマネジメント研修も集団型でやってる企業が多いのでしょうか?

マネジメントの個別研修はこれまでなかった

研修会社は、多数に満足を感じてもらいやすい講座を作り、集団に提供することで利益を得ています。

20名に研修するとして、集団だと1時間の人件費が、個別だと20時間もかかります。

また、個別にカスタマイズするには、「講師の質」が問題になりスケールが難しい。

そのため、個別研修が適する場合も、集団で提供せざるを得ない状況でした。

結果、学び方が合わず、直後の満足度は高いものの現場で活かされないということが多く発生しているのです。


しかし、テクノロジーの進化やデータ活用が広まってきたことで、個別にカスタマイズした学びの提供が実現できるようになってきました。

これまで「個別研修」の選択肢がなく、仕方なく「集合研修」を実施していた場合は、ぜひ研修目的にあった学び方を再考してみてください。

マネトレは「マネジメントスキル向上のための個別研修」

マネトレは、実際の組織課題を題材に、学びながら組織改善のPDCを回していくという、全く新しいマネジメント育成手法です。


実際の組織課題を扱うため、学びが実行に直結し、実際に組織が改善されます。

単発の研修ではなく、365日マネジャーに伴走するため、フォローアップも充実。

オンラインコーチなので、24時間いつでもチャットで相談できます。

悩んだ時、課題に感じた時に、すぐ相談できるので、問題の放置が減ります。


上司や人事、同僚のマネジャーだと、プライドもあって相談しづらいことも、第三者なので相談しやすく、実際にコーチ利用率93%となっています。


少しでも興味を持っていただいた方は、サービスについてチェックしてみてください。


▶ マネトレ 一人ひとりの課題に合わせたマネジメント育成